
七十二候(しちじゅうにこう)とは、古代中国で考案された季節を表す方式のひとつです。二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことです。各七十二候の名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっています。 七十二候は、季節の変化をより細かく分けるために作られたものです。古代中国では、二十四節気だけでは季節の変化が十分に表現されないと考えられていました。そこで、二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間を設けることで、季節の移り変わりをより詳細に捉えることができるようになりました。
- 七十二候の名称について
- 七十二候一覧
- 春の七十二候
- 立春 初候 東風解凍(こちこおりをとく)
- 立春 次候 黄鶯見睆(うぐいすなく)
- 立春 末候 魚上氷(うおこおりをいずる)
- 雨水 初候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
- 雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)
- 雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる)
- 啓蟄 初候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
- 啓蟄 次候 桃始笑(ももはじめてさく)
- 啓蟄 末候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
- 春分 初候 雀始巣(すずめはじめてすくう)
- 春分 次候 桜始開(さくらはじめてひらく)
- 春分 末候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
- 清明 初候 玄鳥至(つばめきたる)
- 清明 次候 鴻雁北(こうがんきたへかえる)
- 清明 末候 虹始見(にじはじめてあらわる)
- 穀雨 初候 葭始生(あしはじめてしょうず)
- 穀雨 次候 霜止出苗(しもやんでなえいづる)
- 穀雨 末候 牡丹華(ぼたんはなさく)
- 夏の七十二候
- 立夏 初候 蛙始鳴(かわずはじめてなく)
- 立夏 次候 蚯蚓出(みみずいづる)
- 立夏 末候 竹笋生(たけのこしょうず)
- 小満 初候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
- 小満 次候 紅花栄(べにばなさかう)
- 小満 末候 麦秋至(むぎのときいたる)
- 芒種 初候 螳螂生(かまきりしょうず)
- 芒種 次候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
- 芒種 末候 梅子黄(うめのみきばむ)
- 夏至 初候 乃東枯(なつかれくさかるる)
- 夏至 次候 菖蒲華(あやめはなさく)
- 夏至 末候 半夏生(はんげしょうず)
- 小暑 初候 温風至(あつかぜいたる)
- 小暑 次候 蓮始開(はすはじめてひらく)
- 小暑 末候 鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)
- 大暑 初候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
- 大暑 次候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
- 大暑 末候 大雨時行(たいうときどきにふる)
- 秋の七十二候
- 立秋 初候 涼風至(すづかぜいたる)
- 立秋 次候 寒蝉鳴(ひぐらしなく)
- 立秋 末候 蒙霧升降(ふかききりまとう)
- 処暑 初候 綿柎開(わたのはなしべひらく)
- 処暑 次候 天地始粛(てんちはじめてさむし)
- 処暑 末候 禾乃登(こくものすなわちみのる)
- 白露 初候 草露白(くさのつゆしろし)
- 白露 次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
- 白露 末候 玄鳥去(つばめさる)
- 秋分 初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
- 秋分 次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
- 秋分 末候 水始涸(みずはじめてかる)
- 寒露 初候 鴻雁来(こうがんきたる)
- 寒露 次候 菊花開(きくのはなひらく)
- 寒露 末候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
- 霜降 初候 霜始降(しもはじめてふる)
- 霜降 次候 霎時施(こさめときどきふる)
- 霜降 末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)
- 冬の七十二候
- 立冬 初候 山茶始開(つばきはじめてひらく)
- 立冬 次候 地始凍(ちはじめてこおる)
- 立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)
- 小雪 初候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)
- 小雪 次候 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
- 小雪 末候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
- 大雪 初候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
- 大雪 次候 熊蟄穴(くまあなにこもる)
- 大雪 末候 鱖魚群(さけのうおむらがる)
- 冬至 初候 乃東生(なつかくれくさしょうず)
- 冬至 次候 麋角解(おおしかのつのおつる)
- 冬至 末候 雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる)
- 小寒 初候 芹乃栄(せりすなわちさかう)
- 小寒 次候 水泉動(しみずあたたかをふくむ)
- 小寒 末候 雉始雊(きじはじめてなく)
- 大寒 初候 款冬華(ふきのはなさく)
- 大寒 次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
- 大寒 末候 鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
七十二候の名称について
七十二候の名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっています。例えば、「雉入大水為蜃」(キジが海に入って大ハマグリになる)など、実際にはあり得ない事柄も含まれています。これは、季節の変化を覚えやすくするために工夫されたものです。 日本でも、江戸時代に入って渋川春海らの暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成されました。古代中国の七十二候とは異なる名称が付けられ、日本固有の気候や動植物の変化に合わせて調整されました。 現在では、1874年(明治7年)の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われています。七十二候を利用することで、季節の移り変わりや自然の変化をより詳細に把握することができます。また、七十二候は日本の風物詩や季節感覚を豊かにする一助となっています。 七十二候は、古代中国から日本に伝わった貴重な文化の一つです。その独自性と細かさから、多くの人々に愛されています。季節の移り変わりを感じることは、自然とのつながりを深めることにもつながります。七十二候を通じて、私たちは自然の営みをより深く理解し、大切にすることができるのです。
七十二候一覧
七十二候(しちじゅうにこう)は、二十四節気を3つの部分(初候、次候、末候)に分けて、それぞれ季節を表す名前を付けたものです。
| 二十四節気 | 候 | 名称 | 意味 | 日付 |
| 立春 | 初候 | 東風解凍(こちこおりをとく) | 東風が厚い氷を解かし始める | 2/4~8頃 |
| 次候 | 黄鶯見睆(うぐいすなく) | 鶯が山里で鳴き始める | 2/9~13頃 | |
| 末候 | 魚上氷(うおこおりをいずる) | 割れた氷の間から魚が飛び出る | 2/14~18頃 | |
| 雨水 | 初候 | 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) | 雨が降って土が湿り気を含む | 2/19~23頃 |
| 次候 | 霞始靆(かすみはじめてたなびく) | 霞がたなびき始める | 2/24~28頃 | |
| 末候 | 草木萌動(そうもくめばえいずる) | 草木が芽吹き始める | 3/1~5頃 | |
| 啓蟄 | 初候 | 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) | 冬蘢りの虫が出て来る | 3/6~10頃 |
| 次候 | 桃始笑(ももはじめてさく) | 桃の花が咲き始める | 3/11~15頃 | |
| 末候 | 菜虫化蝶(なむしちょうとなる) | 青虫が羽化して紋白蝶になる | 3/16~20頃 | |
| 春分 | 初候 | 雀始巣(すずめはじめてすくう) | 雀が巣を構え始める | 3/21~25頃 |
| 次候 | 桜始開(さくらはじめてひらく) | 桜の花が咲き始める | 3/26~30頃 | |
| 末候 | 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) | 遠くで雷の音がし始める | 3/31~4/4頃 | |
| 清明 | 初候 | 玄鳥至(つばめきたる) | 燕が南からやって来る | 4/5~9頃 |
| 次候 | 鴻雁北(こうがんきたへかえる) | 雁が北へ渡って行く | 4/10~14頃 | |
| 末候 | 虹始見(にじはじめてあらわる) | 雨の後に虹が出始める | 4/15~19頃 | |
| 穀雨 | 初候 | 葭始生(あしはじめてしょうず) | 葦が芽を吹き始める | 4/20~24頃 |
| 次候 | 霜止出苗(しもやんでなえいづる) | 霜が終り稲の苗が生長する | 4/25~29頃 | |
| 末候 | 牡丹華(ぼたんはなさく) | 牡丹の花が咲く | 4/30~5/4頃 | |
| 立夏 | 初候 | 蛙始鳴(かわずはじめてなく) | 蛙が鳴き始める | 5/5~9頃 |
| 次候 | 蚯蚓出(みみずいづる) | 蚯蚓が地上に這出る | 5/10~14頃 | |
| 末候 | 竹笋生(たけのこしょうず) | 筍が生えて来る | 5/15~20頃 | |
| 小満 | 初候 | 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) | 蚕が桑を盛んに食べ始める | 5/21~25頃 |
| 次候 | 紅花栄(べにばなさかう) | 紅花が盛んに咲く | 5/26~30頃 | |
| 末候 | 麦秋至(むぎのときいたる) | 麦が熟し麦秋となる | 5/31~6/5頃 | |
| 芒種 | 初候 | 螳螂生(かまきりしょうず) | 螳螂が生まれ出る | 6/6~10頃 |
| 次候 | 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) | 腐った草が蒸れ蛍になる | 6/11~15頃 | |
| 末候 | 梅子黄(うめのみきばむ) | 梅の実が黄ばんで熟す | 6/16~20頃 | |
| 夏至 | 初候 | 乃東枯(なつかれくさかるる) | 夏枯草が枯れる | 6/21~26頃 |
| 次候 | 菖蒲華(あやめはなさく) | あやめの花が咲く | 6/27~7/1頃 | |
| 末候 | 半夏生(はんげしょうず) | 烏柄杓が生える | 7/2~6頃 | |
| 小暑 | 初候 | 温風至(あつかぜいたる) | 暖い風が吹いて来る | 7/7~11頃 |
| 次候 | 蓮始開(はすはじめてひらく) | 蓮の花が開き始める | 7/12~16頃 | |
| 末候 | 鷹乃学習(たかすなわちわざをなす) | 鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える | 7/17~22頃 | |
| 大暑 | 初候 | 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) | 桐の実が生り始める | 7/23~27頃 |
| 次候 | 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) | 土が湿って蒸暑くなる | 7/28~8/1頃 | |
| 末候 | 大雨時行(たいうときどきにふる) | 時として大雨が降る | 8/2~6頃 | |
| 立秋 | 初候 | 涼風至(すづかぜいたる) | 涼しい風が立ち始める | 8/7~12頃 |
| 次候 | 寒蝉鳴(ひぐらしなく) | 蜩が鳴き始める | 8/13~17頃 | |
| 末候 | 蒙霧升降(ふかききりまとう) | 深い霧が立ち込める | 8/18~22頃 | |
| 処暑 | 初候 | 綿柎開(わたのはなしべひらく) | 綿を包む萼(がく)が開く | 8/23~27頃 |
| 次候 | 天地始粛(てんちはじめてさむし) | ようやく暑さが鎮まる | 8/28~9/1頃 | |
| 末候 | 禾乃登(こくものすなわちみのる) | 稲が実る | 9/2~7頃 | |
| 白露 | 初候 | 草露白(くさのつゆしろし) | 草に降りた露が白く光る | 9/8~12頃 |
| 次候 | 鶺鴒鳴(せきれいなく) | 鶺鴒(せきれい)が鳴き始める | 9/13~17頃 | |
| 末候 | 玄鳥去(つばめさる) | 燕が南へ帰って行く | 9/18~22頃 | |
| 秋分 | 初候 | 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) | 雷が鳴り響かなくなる | 9/23~27頃 |
| 次候 | 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) | 虫が土中に掘った穴をふさぐ | 9/28~10/2頃 | |
| 末候 | 水始涸(みずはじめてかる) | 田畑の水を干し始める | 10/3~7頃 | |
| 寒露 | 初候 | 鴻雁来(こうがんきたる) | 雁が飛来し始める | 10/8~12頃 |
| 次候 | 菊花開(きくのはなひらく) | 菊の花が咲く | 10/13~17頃 | |
| 末候 | 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) | 蟋蟀が戸の辺りで鳴く | 10/18~22頃 | |
| 霜降 | 初候 | 霜始降(しもはじめてふる) | 霜が降り始める | 10/23~27頃 |
| 次候 | 霎時施(こさめときどきふる) | 小雨がしとしと降る | 10/28~11/1頃 | |
| 末候 | 楓蔦黄(もみじつたきばむ) | もみじや蔦が黄葉する | 11/2~6頃 | |
| 立冬 | 初候 | 山茶始開(つばきはじめてひらく) | 山茶花が咲き始める | 11/7~11頃 |
| 次候 | 地始凍(ちはじめてこおる) | 大地が凍り始める | 11/12~/16頃 | |
| 末候 | 金盞香(きんせんかさく) | 水仙の花が咲く | 11/17~21頃 | |
| 小雪 | 初候 | 虹蔵不見(にじかくれてみえず) | 虹を見かけなくなる | 11/22~27頃 |
| 次候 | 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) | 北風が木の葉を払い除ける | 11/28~12/2頃 | |
| 末候 | 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) | 橘の実が黄色くなり始める | 12/3~6頃 | |
| 大雪 | 初候 | 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) | 天地の気が塞がって冬となる | 12/7~11頃 |
| 次候 | 熊蟄穴(くまあなにこもる) | 熊が冬眠のために穴に隠れる | 12/12~15頃 | |
| 末候 | 鱖魚群(さけのうおむらがる) | 鮭が群がり川を上る | 12/16~21頃 | |
| 冬至 | 初候 | 乃東生(なつかくれくさしょうず) | 夏枯草が芽を出す | 12/22~26頃 |
| 次候 | 麋角解(おおしかのつのおつる) | 大鹿が角を落とす | 12/27~31頃 | |
| 末候 | 雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる) | 雪の下で麦が芽を出す | 1/1~5頃 | |
| 小寒 | 初候 | 芹乃栄(せりすなわちさかう) | 芹がよく生育する | 1/6~9頃 |
| 次候 | 水泉動(しみずあたたかをふくむ) | 地中で凍った泉が動き始める | 1/10~14頃 | |
| 末候 | 雉始雊(きじはじめてなく) | 雄の雉が鳴き始める | 1/15~19頃 | |
| 大寒 | 初候 | 款冬華(ふきのはなさく) | 蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す | 1/20~24頃 |
| 次候 | 水沢腹堅(さわみずこおりつめる) | 沢に氷が厚く張りつめる | 1/25~29頃 | |
| 末候 | 鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) | 鶏が卵を産み始める | 1/30~2/3頃 |
春の七十二候
春の七十二候とは、二十四節気の立春から穀雨までの期間を指します。この期間は、3つの候に分けられます。立春の初候は「東風解凍」で、東風が厚い氷を解かし始めることを意味します。次候は「黄鶯睍睆」で、鶯が山里で鳴き始めることを意味します。末候は「魚上氷」で、割れた氷の間から魚が飛び出ることを意味します。その後、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨と続きます。
立春 初候 東風解凍(こちこおりをとく)
東風が厚い氷を解かし始めるという意味です。東風は冬から早春にかけて吹く風で、春を告げる風として喜ばれています。 東風解凍の時期は、概ね2月4日から2月8日までです。この期間になると、暖かい春風が川や湖の氷を解かし始めます。東風は、春本番ののんびりと穏やかな風とは違い、まだ冷たさの残る早春の風です。しかし、寒気が緩み、春が近づいていることを感じさせてくれます。 東風解凍は、中国の二十四節気や七十二候という暦の中で使われる言葉です。これらの暦は、元々中国で生まれたものであり、季節の変化を表しています。立春の初候になると、暖かい春の訪れを告げる東風が吹くようになります。 東風解凍の季節になると、私たちは冬から春へと移り変わる自然の営みを感じることができます。厚くなった氷が解け、春の訪れが近づいていることを感じることができるのです。この季節は、冬の寒さから抜け出し、春の温かさが待ち遠しく感じられる時期でもあります。 東風解凍の時期には、新しい季節の始まりを感じ、春の訪れを喜びます。東風が吹くことで、私たちは冬の寒さから解放され、春の温かさを迎えることができるのです。この季節には、新たな希望や活力が湧き上がり、新しいスタートを切る準備ができるのです。 東風解凍は、自然の営みを感じることができる素晴らしい季節です。冬から春へと移り変わるこの時期には、新たな始まりや成長を期待する気持ちが高まります。私たちは東風のように、前向きな気持ちで新たな季節を迎えることができるのです。
立春 次候 黄鶯見睆(うぐいすなく)
立春が過ぎると、次候である「黄鶯見睆」がやってきます。この時期、山里では鶯が鳴き始めます。日本では、鶯は別名「春告げ鳥」とも呼ばれています。2月9日から13日頃にかけて、鶯のさえずりが聞こえるようになります。 鶯は、その美しい声で知られています。特に「ホーホケキョ」という高らかな鳴き声は、多くの人に親しまれています。この声は、鶯のオスによって発せられるもので、一番有名な鳥の鳴き声の一つと言えるでしょう。 鶯のさえずりは、「笹鳴き」と呼ばれる音から始まります。初めて鳴き声が聞こえる時は、「初音」と呼ばれます。鶯は早春に山から里へと降りてきて、初めて声を上げます。その美しい音色は、「黄鶯見睆」という言葉で表されます。 気象庁では、鶯のさえずりを初めて聞いた日を「ウグイスの初鳴日」として観測しています。この日は、梅や桜の開花とともに季節の訪れを告げる大切な日となります。鶯の初鳴きは地域によって異なり、温暖な地方では2月20日頃に聞かれることもあります。 立春を過ぎ、山里で鳴き始める鶯のさえずりは、春の到来を告げる重要なサインです。この美しい声を聞くことで、心が和まれ、春の訪れを感じることができます。鶯の鳴き声を聞くためには、日々の練習が必要なようですが、その努力は春の訪れと共に報われることでしょう。 春告げ鳥として知られる鶯のさえずりは、私たちにとって春の象徴となります。鶯が山里で鳴き始める頃、寒さも少しずつ和らぎ、新しい季節の始まりを感じることができます。鶯のさえずりを聞くことで、心がほっと温かくなり、春の訪れを喜びます。 立春を迎えると、黄鶯見睆の季節がやってきます。鶯の鳴き声が山里に響き渡り、春の到来を告げてくれます。私たちは鶯の美しい声に耳を傾け、春の訪れを心待ちにしています。
立春 末候 魚上氷(うおこおりをいずる)
立春の末候、魚上氷(うおこおりをいずる)がやってきます。この時期、割れた氷の間から魚が飛び出す様子が見られます。2月14日から18日頃にかけてがその時期です。 魚上氷は、春の訪れを感じさせる光景です。冬の間に凍っていた川や湖の氷が割れ、その割れ目から魚が飛び出してくるのです。普段はあまり見ることのない光景ですが、春の気配を感じることができる貴重な瞬間です。 この時期、渓流釣りが解禁される地域も多くあります。待ちわびた釣り人たちが竿を手に川へと出かけていきます。イワナやヤマメ、アマゴなど、春を代表する川魚を釣り上げることができます。これらの魚は、日本在来の渓流魚であり、私たち日本人と共に生きてきた存在です。岩魚、山女魚、天魚とも書かれることもあり、漢字の表現も面白いですね。 魚上氷は立春の末候に該当します。立春は春の始まりを告げる節気であり、その終わりに魚上氷が訪れます。一年の中で最も寒い時期を過ぎ、少しずつ暖かくなってきた頃です。魚上氷の時期は2月14日から18日頃とされています。 魚上氷の季節感は、春の訪れを感じることができるとても良い時期です。冬の寒さから抜け出し、春の暖かさを感じることができます。魚が氷の割れ目から飛び出す様子は、春の到来を象徴しているようにも感じます。 魚上氷は、自然の移り変わりを感じることができる貴重な瞬間です。春の訪れと共に、釣りや自然散策など、春を楽しむ活動も始まります。魚上氷の時期には、川や湖で魚を見るだけでなく、自然の息吹を感じることもできるでしょう。 魚上氷の時期がやってくると、私たちは春の訪れを心待ちにするのです。割れた氷の間から飛び出す魚たちを見ながら、春の訪れを感じましょう。
雨水 初候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
雨水の初候は「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」と呼ばれ、雨が降って土が湿り気を含む頃合いを指します。この時期は2月19日から23日頃にかけて訪れます。 「土脉潤起」は、春の訪れを感じさせる季節の始まりを象徴しています。寒さが残る中で、雪が雨に変わり、大地が少しずつ潤い始める様子を表しています。この時期はまだ気温が低いため、降った雨や雪解け水がなかなか乾かず、土が湿り気を含んでいくのです。 この時期の「土脉潤起」は、自然界の生き物たちにとっても重要な時期です。冬眠していた生き物たちが目を覚まし、春に向けて活動を始める準備を始めます。土の中で眠っていた種や根も、水分を吸収して成長を始めるのです。 「土脉潤起」は、七十二候の中でも特に春の到来を感じさせる候です。次の候である「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」や末候の「草木萌動(そうもくめばえいずる)」に続き、自然界が次第に春の息吹を感じさせるようになります。 七十二候は、中国から伝わった暦を日本の風土に合わせて作られたものです。その中でも「土脉潤起」は、日本の気候や風土に合わせた独自の候です。春の到来を感じさせるこの時期は、自然と共に新たな季節の訪れを感じることができます。この時期にはまだ寒さが残りますが、大地が少しずつ湿り気を含んでいく様子を感じることができます。春の訪れを感じさせる「土脉潤起」の候がやってくると、自然界が次第に春に向けて準備を進めている様子が感じられるのです。
雨水 次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)
雨水の次候である霞始靆(かすみはじめてたなびく)は、2月24日から28日頃にかけて訪れる季節です。この時期、山々の裾野に霞がたなびき始め、遠くの風景もかすんで見えます。春の神様である佐保姫の着物の裾にたとえられることもあります。霞が舞い始めると、夜には朧月が浮かび上がり、幻想的な風景が広がります。 霞とは、春になると気温が上がり、空気中に水蒸気が多く含まれることで発生する現象です。霧やもやとは異なり、遠くの景色が白くボンヤリと見える特徴があります。秋や冬の澄んだ空気の中でも遠くの山々をキレイに見ることができますが、春になると霞によって景色が白くかすんでしまいます。 霞始靆の時期は、年によって異なるため、 霞始靆の季節には、京都の三千院で「星供・星祭」というイベントが開催されます。英名である「ベイビィズ・ブレス」は、赤ちゃんの息吹を意味しています。霞が舞い、星が輝く風景の中で、春の訪れを祝福する儀式が行われます。 霞始靆の季節には、自然の美しさに触れることができます。霞が山々を包み込み、遠くの景色がかすんで見える様子は、まるで佐保姫の着物の裾がたなびいているかのようです。春の到来を感じながら、幻想的な風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
雨水 末候 草木萌動(そうもくめばえいずる)
雨水の時期がやってきました。雨水は、二十四節気の中で「末候」と呼ばれ、草木萌動の始まりを告げます。この時期、草木が芽吹き始め、春の訪れを感じさせます。雨水の期間は3月1日から5日頃まで続きます。 雨水とは、その名の通り、雨が降ることを指します。この時期の雨は「木の芽起こし」とも呼ばれ、植物の成長を促し、花を咲かせる重要な役割を果たしています。また、「催花雨(さいかう)」や「木の芽萌やし(きのめもやし)」など、雨水には趣のある別名もあります。 雨水の時期には、特に猫柳(ねこやなぎ)の開花が楽しみです。猫柳は、春一番に芽吹く柳の一種で、綿毛におおわれた花を水面に向かって咲かせます。その綿毛が猫のしっぽのようであることから、猫柳と名付けられました。猫柳の花は、自由や思いのままといった花言葉を持ち、春の訪れを象徴する存在となっています。 雨水の時期の雨は、春の訪れを感じさせるものです。雨が降るたびに草木が芽吹き、新しい命が生まれていく様子は、自然の営みを感じさせます。また、雨水の時期は、農作物の種まきや植え付けにも適しており、農業にとっても重要な時期となります。 草木萌動の時期である雨水には、さまざまな行事や食べ物も関連しています。春の訪れを祝うお祭りや、旬の食材を使った料理が楽しまれます。また、雨水の時期には、植物の成長を促すための作業や、庭の手入れなども行われます。 雨水の時期は、自然や植物の成長を感じることができる特別な時期です。草木が芽吹き、春の息吹を感じながら、季節の移り変わりを楽しんでいきましょう。
啓蟄 初候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
啓蟄は、春の訪れを告げる二十四節気の一つです。この時期、冬ごもりをしていた虫たちが地中から姿を現します。蟄虫啓戸とも呼ばれるこの候は、冬蘢りの虫が出てくる時期とされています。毎年3月6日から10日頃にかけて訪れます。 蟄虫啓戸の「蟄」は、生きものが土の中に潜んでいることを表しています。一方、「啓」は閉じられたものを開くという意味を持ちます。つまり、この候は冬眠していた虫たちが土の中から出てくることを象徴しています。 冬蘢りの虫とは、昆虫だけでなく、蛇や蛙、トカゲなども含まれます。彼らは寒さから身を守るために土の中に潜り、冬を過ごしています。しかし、啓蟄の頃になると、春の陽気を感じ取り、じわじわと地上へと姿を現します。 蟄虫啓戸の時期には、春雷も鳴りやすくなります。春雷は、春の訪れを告げる象徴的な現象とされています。蟄虫が出てくる頃には、春の気配が強まり、自然界も活気づいてきます。 蟄虫啓戸の季節には、虫たちが目を覚まし、生命の息吹を感じることができます。カエルやヘビが苦手な人にとっては少し気が重いかもしれませんが、彼らの姿を想像すると微笑ましくなります。春の訪れを感じる啓蟄の時期は、自然界の営みを見守ることができる貴重な機会です。
啓蟄 次候 桃始笑(ももはじめてさく)
啓蟄の次候である桃始笑(ももはじめてさく)は、桃の花が咲き始める時期を指します。この季節は主に3月11日から15日頃にかけてやってきます。春の訪れを告げる桃の花は、日本の風物詩の一つとして知られています。 桃始笑の時期には、桃のつぼみがほころび、美しい花が咲き誇ります。花びらは柔らかなピンク色で、優雅な香りを放ちます。桃の花は、しばしば梅と桜とともに春の花の代表とされ、日本の伝統的な風景や文化に欠かせない存在です。 桃始笑の時期には、日本各地で桃の花見が楽しまれます。人々は家族や友人と一緒に、桃の花の美しさを愛でながらピクニックを楽しむのです。桃の花見は、春の訪れを祝福し、新たな始まりを迎える日本人の心を表現する習慣とも言えます。 また、桃始笑は俳句や短歌の季語としても使われます。花が咲くことを「笑う」と表現する古い言葉遣いは、季節の喜びや生命の息吹を表現する手法として重要な役割を果たしています。桃始笑の時期には、詩人や文人たちが桃の花の美しさに触発され、詠まれる作品も多くあります。 桃始笑の到来は、寒い冬から春への移り変わりを感じさせてくれます。寒さから解放され、暖かな陽気が戻ってくることを予感させる桃の花は、希望と活力を与えてくれる存在です。春の訪れとともに、私たちの心も新たな一歩を踏み出す準備を始めるのです。 桃始笑の季節は、桃の花の美しさと共に、春の訪れと新たな始まりを象徴しています。私たちはこの季節を通じて、自然の営みと共鳴し、生命の輝きを感じることができます。桃始笑の時期には、心を清らかにし、新たな希望と活力を抱いて、未来に向かって進んでいくことができるのです。
啓蟄 末候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
啓蟄の末候になり、菜虫が蝶に変身する時期がやってきました。菜虫とは、大根や蕪などの葉を食べる青虫のことで、一般的には蝶の幼虫などを指します。冬の間、幼虫はさなぎの姿になって寒さを耐えながら越冬します。そして春が訪れると、約1週間ほどで羽化し、美しい紋白蝶に変わります。 菜の花が咲き、蝶が舞い始めることで、本格的な春の到来を感じることができます。菜虫化蝶の季節は、自然界の営みの一つであり、春の訪れを告げる大切な瞬間です。啓蟄の末候は、3月16日から20日頃まで続きます。この時期、畑の中を飛び交う蝶の姿を見ることができるでしょう。 菜虫が蝶に変身する様子は、自然界の驚くべき変化の一つです。幼虫が大根や蕪などの葉を食べながら成長し、冬の間をさなぎとして過ごします。その後、春がやって来ると、菜虫は紋白蝶となって羽ばたきます。 啓蟄の末候の時期になると、菜虫は羽化し始めます。約1週間ほどで、菜虫は美しい蝶に変身します。この変身のプロセスは、自然の神秘とも言えるものであり、私たちに春の訪れを実感させてくれます。 菜の花が咲き、蝶が舞い始めることで、本格的な春の到来を感じることができます。蝶の羽ばたきは、新しい生命の誕生や成長を象徴しています。畑の中を飛び交う蝶の姿は、自然の営みの一部を目の当たりにする貴重な機会です。 啓蟄の末候は、3月16日から20日頃まで続きます。この時期、菜虫が蝶に変身する様子を見ることができます。菜虫化蝶の季節は、自然の循環と移り変わりを感じることができる特別な時期です。 菜虫が蝶に変身する姿は、小さな生き物の力強さと美しさを教えてくれます。春の到来を告げるこの瞬間は、私たちに新たな希望と活力を与えてくれます。菜虫化蝶の季節を通じて、自然の神秘を感じ、心豊かな春を迎えましょう。
春分 初候 雀始巣(すずめはじめてすくう)
春分の初候である雀始巣は、雀が巣を構え始める時期を指します。毎年3月21日から25日頃になります。雀の繁殖期は2月から9月まで続きますが、この時期になると雀は巣作りを始めます。 雀は人の身長よりも高い場所に巣を作ることが多く、人への警戒心が強いため、屋根の隙間や瓦の下、交通標識のパイプなど、見つけにくい場所を選びます。巧みに枯れ草や藁、動物の毛などを使って巣を作り上げます。 雀始巣の季節になると、春の到来を感じることができます。春分の頃は季節が本格的に移り変わり、自然界でも新たな生命の息吹を感じることができます。雀の巣作りを見かけることで、春の訪れを実感することができるでしょう。 雀の巣はなかなか見ることができませんが、親鳥がエサを運ぶ姿や、巣から聞こえるかわいい雛の声から、巣が存在することを知ることができます。雛が巣立ちしていく姿もまた、春の喜びを感じさせてくれます。 雀始巣は、自然の営みの一つとして私たちの生活にも密接に関わっています。雀たちが巣を作ることで、私たちの周りにも自然の息吹を感じることができるのです。 この雀始巣の季節には、雀たちの巣作りを観察してみると良いでしょう。自然と触れ合い、春の訪れを感じることができるかもしれません。春の始まりを雀たちと共に迎えることで、心が和らぎ、穏やかな気持ちになることでしょう。
春分 次候 桜始開(さくらはじめてひらく)
春分の次の候は「桜始開(さくらはじめてひらく)」です。この候は、桜の花が咲き始める時期を指しています。一般的には3月26日から30日頃にかけて桜の開花が始まると言われています。 桜始開は、春の訪れを告げる象徴的な出来事です。寒い冬が終わり、暖かな春がやってくることを感じさせてくれます。桜の花は、やさしいピンク色で咲き誇り、風に揺れる姿はまさに美しい光景です。 桜は、古くから日本人にとって特別で大切な花とされてきました。平安時代から花といえば桜、花見といえば桜を鑑賞することを指していました。桜の花見は、友人や家族と一緒に楽しむ機会であり、春の訪れを祝福する行事でもあります。 桜始開の季節には、日本各地で桜の開花宣言が行われます。桜の開花宣言は、桜の開花が確認されたことを公表するものであり、多くの人々が桜の花見に訪れます。桜の花見は、桜の美しさを楽しむだけでなく、季節の移ろいを感じることができる貴重な機会です。 桜始開は、自然の営みの中での一つの区切りでもあります。寒い冬から暖かな春への移り変わりを感じることができるのです。桜の花は、毎年変わらずに咲いてくれることから、私たちに安らぎと希望を与えてくれます。 桜始開の時期は、地域によって異なる場合もありますが、一般的には3月下旬から4月初旬にかけてと言われています。東北や北海道ではまだ一ヶ月以上先のこともありますが、大阪から東京にかけてはこの時期に桜が咲き始めます。 桜始開は、日本の四季の中でも特に美しい時期の一つです。桜の花が咲くことで、心が癒され、新たな始まりへの期待が湧いてきます。桜の花が咲き誇る春の風景を、心ゆくまで楽しんでみてはいかがでしょうか。
春分 末候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
春分の末候である雷乃発声は、遠くで雷の音がし始める時期を指します。この期間は、3月31日から4月4日頃まで続きます。春分の時期は、季節の変わり目であり、大気が不安定なため、雷が鳴ることがよくあります。雷は一つや二つ鳴ったかと思うと、すぐに止んでしまうこともありますが、それでも初めて雷の音を聞くことは特別な瞬間です。 春雷とは、春に鳴る雷のことを指します。夏に比べると春雷は激しくなく、一過性のものです。春雷が鳴ると、農家の人々は雨を期待し、農作物の成長を喜びます。しかし、春雷は農作物を傷める雹をもたらす可能性もあります。そのため、農家の人々は春雷をあまり歓迎しないこともあります。 雷乃発声は、季節の変わり目を告げる重要な出来事です。春分の時期は、寒さから抜け出し、暖かさが戻ってくる時期です。大自然のサインとして、雷の音が聞こえることは、新たな季節の始まりを感じさせてくれます。 雷乃発声の時期には、大気が不安定であるため、雪や雹が降ることもあります。しかし、それにもかかわらず、雷の音が遠くで響く姿は、自然の力強さや神秘さを感じさせてくれます。雷の音の響きは、人々に勇気や活力を与えることもあります。 雷乃発声は、自然の営みの一部として、私たちに季節の変わり目を実感させてくれるものです。春分の末候として、雷乃発声が訪れることで、新たな季節の訪れを感じ、自然とのつながりを深めることができます。
清明 初候 玄鳥至(つばめきたる)
清明の初候、玄鳥至という言葉は、燕が南からやって来る時期を表しています。4月5日から9日頃になると、燕たちは長い旅を経て日本に到着します。玄鳥とは、燕の別名で、黒い鳥という意味です。 燕は冬を東南アジアで過ごし、春になると日本にやって来ます。彼らは繁殖のために海を渡り、農耕シーズンの始まりを告げます。古くから、燕が巣をかけるとその家に幸せが訪れるという言い伝えがあります。燕は害虫を食べる益鳥として親しまれており、米などの作物を荒らさずに守ってくれる存在です。 燕たちは泥を集めて巣作りをし、飛びながら虫を捕まえます。彼らの姿は空中で美しく舞う様子で知られています。燕が飛来することで、春の訪れを感じることができます。清明の頃、桜も咲き誇り、暖かな陽気が広がります。 玄鳥至は、自然の営みと季節の変化を感じる大切な時期です。燕の到来は、農作業や自然の循環にとって重要な合図となります。私たちは燕の姿を見ることで、自然とのつながりを感じ、季節の移り変わりを喜びます。 燕が南からやって来るこの時期には、私たちも自然に目を向け、春の訪れを感じることができるでしょう。燕の活動を見守りながら、新たな季節の始まりを迎えましょう。
清明 次候 鴻雁北(こうがんきたへかえる)
清明の次候である鴻雁北は、雁が北へ渡って行く時期を指します。この時期は、4月10日から14日頃にかけてやってきます。鴻雁とは、渡り鳥の「がん」を指し、大型のがんを「鴻」と読み、小型のがんを「雁」と呼びます。 鴻雁北の到来は、春の訪れを感じさせます。冬を日本で過ごした雁たちは、北のシベリアへと帰っていくのです。この時期になると、冬鳥の雁たちが南から北へと舞い戻ります。彼らの姿は、空を彩り、新たな季節の到来を告げるものとなります。 鴻雁北の季節には、雁たちの渡りの様子を詠んだ歌も多くあります。古くから、雁と燕の交錯する様子や、雁の列を組んで飛んでいく姿が歌われてきました。雁たちの飛ぶ姿は、美しくも儚いものであり、人々の心を打つのです。 また、鴻雁北の到来は、自然の営みの一部でもあります。雁たちは、北の地で繁殖し、夏を過ごすためにやってきます。彼らの渡りは、生命の継続を目指す大切な行動なのです。この季節になると、私たちは自然の摂理を感じ、季節の移り変わりを実感するのです。 鴻雁北の季節は、春の深まりとともにやってきます。雁たちの帰還は、新たな生命の息吹を感じさせ、私たちに希望と活力を与えてくれます。私たちは、この季節の訪れを喜び、自然の恵みに感謝しながら、新たな季節を迎えるのです。 鴻雁北の到来は、自然の営みと人々の心情を結びつける特別な時期です。雁たちの北への帰還は、私たちに自然の摂理と季節の移り変わりを教えてくれるのです。この季節には、雁たちの渡りを見上げ、その美しさと儚さに感動することでしょう。私たちは、鴻雁北の到来を大切にし、自然とのつながりを感じながら、新たな季節を迎えるのです。
清明 末候 虹始見(にじはじめてあらわる)
清明の末候には、虹始見という季節の兆しを感じることができます。この時期は、春が深まり、湿度が上がって雨の後に虹が出始める頃です。虹は、大気中の雨粒が太陽の光をプリズムとして反射し、美しい色彩を放つ現象です。その淡い色合いは、まるで光が消えてしまいそうなほど繊細であり、春の清々しい明るさの中に一瞬現れては消えてしまいます。 虹始見は、立春を過ぎて初めて現れる虹を指します。この時期はまだ太陽の光が弱く、雨の後に現れる虹は特に輝きを感じさせます。大気中の雨粒がプリズムとして働き、太陽の光を分解して様々な色彩を放つ虹は、まるで自然のアート作品のようです。 虹始見の時期は、概ね4月15日から4月19日頃です。しかし、二十四節気は年によって期間が変わるため、虹始見の期間も年ごとに異なります。例えば、2021年は4月15日から4月19日までの期間でしたが、2022年から2025年までは同じ期間が続きます。 虹始見は、春の訪れを告げる自然のサインとも言えます。清明の末候に現れる虹は、冬の乾燥した空気から湿度が上がってくることを象徴しています。春の訪れとともに、虹が現れることで自然の豊かさや美しさを感じることができます。 虹始見の季節、雨の後に虹が出始める光景は、心を癒し、希望を与えてくれます。大気中の雨粒と太陽の光が交わる瞬間を目撃することは、自然の神秘を感じることができる貴重な経験です。虹の美しさに心を奪われ、春の訪れを喜ぶことができるのは、何とも幸せなことです。 虹始見の時期には、ぜひ外に出て虹を探してみてください。雨上がりの空に広がる虹のアーチは、心を和ませ、自然の力強さと美しさを再確認させてくれることでしょう。春の清明な空気の中で、虹の光に包まれる幸せなひと時を過ごしましょう。
穀雨 初候 葭始生(あしはじめてしょうず)
穀雨の初候、葭始生(あしはじめてしょうず)は、葦が芽を吹き始める時期を意味します。この時期は4月20日から24日頃にかけて訪れます。葦はイネ科の多年草であり、水辺に広く自生しています。葭始生の頃になると、葦の新芽が緑一色に輝き始めます。春の訪れを告げるように、水辺にも緑が芽生え、自然界は活気に満ち溢れます。 葭はまた、茅葺屋根の材料としても利用されています。そのため、葭始生は農作業や建築においても重要な時期となります。茅葺屋根は伝統的な日本の屋根材料であり、葦を使って作られます。葦の柔らかな葉は、屋根をしっかりと覆い、雨漏りを防ぐ役割を果たします。 葭始生はまた、季節の移り変わりを感じることができる時期でもあります。春から夏への移行期であり、自然の中での新たな生命の始まりを象徴しています。葦の芽吹きは、夏への準備が始まる合図でもあります。緑豊かな風景を目にすることで、私たちは自然とのつながりを感じ、季節の変化をより深く実感することができます。 葭始生の時期は、二十四節気の一つであり、中国でも同様に存在します。日本と中国は共通の文化的背景を持っており、季節の変化を大切にする考え方が反映されています。葭始生を通じて、私たちは自然の営みに敬意を払い、季節の循環を感じながら、生活を豊かにしていくことができるのです。 葭始生は、自然とのつながりを感じる機会を提供してくれる大切な時期です。私たちは、葭の芽吹きとともに、新たな季節の訪れを迎え、自然の美しさと豊かさを感じることができます。そして、葭始生を通じて、私たちは自然への感謝の気持ちを深め、持続可能な未来を築いていくための大切な一歩を踏み出すことができるのです。
穀雨 次候 霜止出苗(しもやんでなえいづる)
穀雨が終わり、次の候は霜止出苗です。この時期は霜が終わり、稲の苗が生長する頃です。4月25日から29日頃にかけてやってくる季節です。 霜止出苗は、春の訪れを感じさせる候です。寒さが和らぎ、植物たちも成長を始めます。霜が降りにくくなり、稲の苗が元気に育つことができます。 この時期には、農作業が本格化します。稲の苗を植える作業や畑の準備が行われます。農家の方々は、苗が健やかに成長するように丁寧に世話をします。 また、霜止出苗の時期は、天候の変化に注意が必要です。まだまだ油断はできません。急に気温が下がり、霜が降ることもあります。農作物や植物たちにとっては、大切な時期ですので、十分な注意が必要です。 霜止出苗の時期は、自然の営みを感じることができる季節です。稲の苗が生い茂り、緑が一層濃くなっていきます。自然の恵みを受けながら、私たちも農作業や植物の成長を見守ることができます。 霜止出苗の時期は、春の訪れとともに新たな希望や活力を感じることができます。農作業や自然とのふれあいを通じて、私たちの生活も豊かになることでしょう。大切な時期を大切に過ごしましょう。
穀雨 末候 牡丹華(ぼたんはなさく)
穀雨の末候、牡丹華(ぼたんはなさく)となります。この時期、牡丹の花が咲くのです。毎年4月30日から5月4日頃にかけて、美しい牡丹の花が我々を楽しませてくれます。 牡丹は、その華やかな姿から「富貴花」「百花の王」とも称されます。昔から日本人に愛され、日本の文化や芸術においても重要な意匠として使われてきました。日本画や着物、焼き物や彫刻、刺青など、様々な表現方法で牡丹が描かれています。 しかし、現代の日本人は牡丹がどんな花か、昔の人のように明確に思い起こせない人が多いのではないでしょうか?牡丹の花は大きくて豪華で、さまざまな色や形を持っています。花弁が重なり合い、優雅な姿を見せてくれます。 また、牡丹の花は中国でも大変な人気があります。中国では「百花の王」と呼ばれ、数々の逸話や美術作品に登場しています。牡丹は中国から日本に伝わり、その美しさが日本でも広まりました。 牡丹の花が咲く時期は、農作業の目安とされていました。八十八夜と呼ばれるこの時期は、立春から数えて八十八日目の日であり、例年5月2日、閏年であれば5月1日に訪れます。この時期を過ぎると、田畑への被害がなくなり、田植えや種まきが始まる目安とされました。 牡丹の花はただ美しいだけでなく、季節の移り変わりや農作業の合図としても重要な存在です。私たちは牡丹の花を通じて、自然の営みや季節の移り変わりを感じることができます。牡丹の花が咲くこの季節、ぜひ花の美しさを楽しんでみてください。
夏の七十二候
夏の七十二候とは、二十四節気の立夏から大暑までの期間を指します。この期間は、3つの候に分けられます。立夏の初候は「蛙始鳴」で、蛙が鳴き始めることを意味します。次候は「蚯蚓出」で、蚯蚓が地上に這出ることを意味します。末候は「竹笋生」で、筍が生えて来ることを意味します。その後、小満、芒種、夏至、小暑、大暑と続きます。
立夏 初候 蛙始鳴(かわずはじめてなく)
立夏がやってきました。この時期、七十二候は「蛙始鳴」となり、蛙が鳴き始める頃です。野原や田んぼで、蛙の声が響き渡ります。蛙は冬眠から覚め、繁殖活動に入り始めるのが5月頃です。そのため、この時期になると蛙の鳴き声が聞こえてきます。 蛙は生まれてから別の場所へ移動しても、必ずもとの生まれた池に戻ってくると言われています。そのため、「帰る=蛙」と呼ばれるようになったと言われています。このことから、「無事帰る」「お金が帰る」といった意味にも繋がり、古くから縁起が良いとされてきました。 また、「蛙」という漢字は鳴き声に由来しており、蛙が「けーけー」と鳴いていると捉えられたため、虫偏に「圭」が用いられたと言われています。真夜中に響く蛙の大合唱は、夏の夜の風物詩とも言えます。蛙の鳴き声が聞こえるようになると、野山の若葉もみずみずしく輝き、まもなく本格的な夏が訪れます。 蛙始鳴は立夏の初候の時期であり、概ね5月5日から5月9日頃まで続きます。ただし、年によって期間が異なるため、注意が必要です。蛙始鳴の時期には、他の七十二候も同時に起こります。 中国の宣明暦では、立夏の初候の七十二候は「螻蟈鳴」となります。日本の略本暦とは異なる名称ですが、蛙の鳴き声が夏の風物詩として詠まれることは共通しています。 蛙始鳴の時期には、自然界の営みが活発になります。蛙の鳴き声を聞くことで、季節の移り変わりを感じることができます。蛙始鳴の時期は、春から夏への移り変わりを象徴する大切な時期です。
立夏 次候 蚯蚓出(みみずいづる)
立夏の次候である「蚯蚓出」は、5月10日から14日頃にかけて蚯蚓が地上に這い出てくる時期を指します。蚯蚓は冬眠していた間、地中で休んでいたのですが、気温が上がると活動を始めます。ミミズには目がないため、光を感知して進む性質があります。そのため、「目見えず」が「みみず」と呼ばれるようになったと言われています。 ミミズは地中にトンネルを掘り、植物の成長にとって重要な空気や水の通り道を作ります。また、落ち葉などの有機物を食べて、土の中に栄養豊富なフンを作り出します。これは畑に肥料を撒くのと同じ効果を持ちます。ミミズによって落ち葉や死がいが分解され、栄養豊富な土が形成されるのです。 蚯蚓出の時期は毎年変動しますが、一般的には5月10日から14日頃にかけてです。ただし、年によって期間が異なるため、具体的な日付は年ごとに異なります。 蚯蚓出は中国で生まれた二十四節気・七十二候の一つであり、日本でも古くから使われてきました。立夏の時期になると、手紙やはがきの挨拶文に七十二候を使うことで、より季節感のある書き出しになります。 蚯蚓出の時期には、自然界での活動が活発になります。春の訪れとともに、ミミズが地上に現れる様子は、季節の移り変わりを感じさせてくれます。また、ミミズの活動によって土壌が豊かになり、植物の成長にとって重要な役割を果たします。 立夏の次候の蚯蚓出は、自然の営みを感じることができる貴重な時期です。蚯蚓が地上に這い出てくる様子を見ると、新しい季節の始まりを実感することができます。
立夏 末候 竹笋生(たけのこしょうず)
立夏が訪れると、日本の農作物も新たな成長期に入ります。その中でも、竹笋生(たけのこしょうず)という七十二候が注目されます。竹笋生は、立夏の末候に位置し、5月15日から20日頃に筍が生えてくる時期を指します。 竹笋は、タケノコとも呼ばれる竹の芽の部分です。春の訪れとともに、地表から頭を出し、すくすくと成長します。竹笋は、中国原産の孟宗竹や日本原産の真竹など、さまざまな種類がありますが、竹笋生の時期には真竹が旬を迎えると考えられています。 竹笋は、旬の短い野菜として知られています。土から顔を出してからわずか10日程度で食べごろになると言われています。そのため、月を10日間に分けるのも、筍の旬からきていると言われています。 竹笋生は、日本の二十四節気や七十二候の中で、季節の移り変わりを象徴する重要な時期です。日本の農作物や食文化においても、竹笋は特別な存在であり、多くの人々にとっては待ち遠しい食材です。 竹笋生の時期は、年によって微妙に異なることもありますが、概ね5月15日から20日頃にかけてとされています。二十四節気や七十二候は、中国の宣明暦に由来しており、日本の気候風土に合わせて改訂されたものです。 竹笋生の時期には、旬の竹笋を楽しむために、さまざまな料理や保存方法が伝えられています。筍ご飯や筍の煮物など、竹笋の風味を存分に楽しむことができます。 竹笋生の時期が訪れると、自然の恵みを感じることができます。春の訪れを告げる竹笋の成長は、私たちに新たな季節の始まりを感じさせてくれます。竹笋を通じて、私たちは自然の摂理とのつながりを感じることができるのです。
小満 初候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
小満の初候となる蚕起食桑は、5月21日から25日頃に起こる季節の変化です。この時期になると、蚕が桑の葉をたくさん食べ始めます。昔は蚕が身近な存在であり、養蚕業を行う農家も多く存在していました。蚕を飼って生糸を作る産業は、日本の主要な産業の一つでした。しかし、現在では蚕を見ることは少なくなりました。 蚕起食桑の時期には、蚕が卵から孵化し、桑の葉を食べ始めます。その後、蚕は白い糸を吐き出しながら繭を作ります。この繭からは美しい絹糸が生まれます。養蚕業は戦前まで農家の約4割が携わっており、日本の経済に大きな影響を与えていました。 また、蚕起食桑の時期には桑畑が注目されます。桑畑は果樹園や畑地と同じく、地図記号としても使用されています。初夏には桑の実が実り、甘酸っぱく美味しい味を楽しむことができます。 蚕起食桑は、小満という時期の特徴的な出来事です。この季節の変化を感じながら、蚕の成長や絹糸の生産が進む様子を見守ることができます。昔の日本においては、蚕起食桑は重要な出来事であり、人々の生活に深く関わっていました。今でもその歴史や文化を大切にし、蚕起食桑の季節を楽しむことができます。 蚕起食桑の時期には、農家や養蚕業関係者が忙しく働いていました。蚕の世話や絹糸の生産は手間がかかりますが、その努力の結果、美しい絹糸が生まれます。蚕起食桑の時期には、農作業や絹糸の製造に関心を持ち、その大切さを再認識することができます。 蚕起食桑は、昔から続く日本の伝統産業であり、その重要性は今でも変わりません。蚕が桑を盛んに食べ始めるこの時期には、蚕の成長や絹糸の生産に関心を寄せることが大切です。また、桑畑や桑の実の収穫も楽しむことができます。蚕起食桑の時期には、昔の日本の風景や文化を感じながら、自然とのつながりを再確認することができます。
小満 次候 紅花栄(べにばなさかう)
小満の次候である「紅花栄(べにばなさかう)」は、紅花が盛んに咲く頃を表しています。この時候は、5月26日から30日ごろにかけて訪れます。 紅花は、咲き始めの頃は鮮やかな黄色をしていますが、成長するにしたがって徐々に赤色が増えていきます。茎の末端に咲く花を摘み取ることから「末摘花(すえつむはな)」とも呼ばれ、万葉集にも登場しています。 紅花の茎は1メートル近くまで伸び、キク科の植物ですが、アザミのような棘(トゲ)があります。朝露を含んだ棘がまだ柔らかい早朝に、一つひとつ丁寧に花びらだけを摘んでいきます。 紅花栄の時候には、紅花があたり一面に咲き誇ります。美しい紅花の花が広がる光景は、心を和ませてくれます。この時期は、自然の営みが活発になり、新しい季節の訪れを感じさせてくれます。 また、紅花は日本の風物詩としても知られており、文学や詩にも登場します。その美しさと繊細さから、多くの人々に愛されています。 紅花栄の季節には、紅花の香りが漂い、美しい花たちが咲き誇る風景を楽しむことができます。自然と触れ合いながら、心を癒すひと時を過ごすことができるでしょう。 小満の次候である紅花栄は、紅花が盛んに咲く美しい時候です。自然の営みを感じながら、紅花の花が咲き誇る風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
小満 末候 麦秋至(むぎのときいたる)
小満の末候は「麦秋至(むぎのときいたる)」です。この時期は、麦が熟し、麦秋となる時期を指しています。麦秋至の期間は、一般的に5月31日から6月5日頃までです。この期間は、二十四節気の小満における七十二候の一つです。 麦秋至とは、麦の実りの時期を表しています。夏の初めの爽やかな風に吹かれながら、麦畑が金色に輝き、麦穂が揺れる様子を想像することができます。この時期は、麦が十分に成長し、収穫の時期に近づいていることを意味しています。 麦は、私たちにとって重要な作物の一つです。麦は、パンやビールなどの食品や飲料の原料として使われています。また、麦は穀物の中でも栄養価が高く、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを含んでいます。そのため、麦を摂取することは健康に良い影響を与えることができます。 麦秋至の時期には、農家の方々は麦の収穫に向けて準備を進めています。麦穂が十分に実ったことを確認し、収穫する適切なタイミングを見極める必要があります。また、収穫後は麦を乾燥させたり、精製したりする作業も行われます。 麦秋至は、日本の農業の重要な節目の一つです。麦を育てることで、私たちは食料を確保し、健康な生活を送ることができます。また、麦の収穫は農業の労働者の方々にとっても重要な仕事であり、彼らの努力と知識によって実り豊かな麦畑が実現されます。 麦秋至の時期には、私たちも麦に感謝を捧げることが大切です。麦が熟し、収穫の時期を迎えることは、自然の恵みを受けることの証です。私たちは、麦を大切に扱い、有効に活用することで、持続可能な社会の実現に貢献することができます。 麦秋至の期間には、麦畑を訪れてみるのも良いでしょう。金色に輝く麦穂が風に揺れ、その美しい景色を眺めることができます。また、麦の収穫体験や関連イベントに参加することで、農業の魅力や重要性を再認識することができます。 麦秋至は、日本の風物詩の一つでもあります。古くから麦の収穫は、日本の農耕文化において重要な役割を果たしてきました。私たちは、麦秋至の時期に麦に感謝し、その恵みを受けることを心に留めておくべきです。
芒種 初候 螳螂生(かまきりしょうず)
芒種の初候である「螳螂生(かまきりしょうず)」は、6月6日から10日頃にかけてやってきます。この時期、カマキリが生まれ出るとされています。秋の間に産みつけられたカマキリの卵から、数百匹の小さなカマキリが次々と孵化し始めます。 カマキリは、肉食性の昆虫であり、害虫を駆除してくれる頼もしい存在です。生きている虫を捕食することで生き延びていくため、死んでいるものは食べないそうです。カマキリは、手に鎌を持っている姿が特徴的で、その姿勢がまるで祈っているようにも見えます。そのため、カマキリは「拝み虫」とも呼ばれています。 カマキリの卵は、アワのような粘液で覆われた「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれるものに守られています。一つの卵鞘には200〜300個の卵が含まれており、それらが一斉に孵化していきます。カマキリの幼虫は、前脚を上げて獲物を待ち伏せる姿が特徴的で、まるで祈っているかのように見えます。 芒種の初候である「螳螂生」は、自然界の営みの中でカマキリが新たな命を授かる時期です。カマキリの生態や役割について知ることで、私たちは自然の中での生命のつながりやバランスを感じることができます。 螳螂生の到来は、季節の移り変わりを感じさせてくれる大切な瞬間です。私たちはこのような自然の循環に敬意を払いながら、共に生きる地球の生態系を守っていくことが求められています。 螳螂生という候は、カマキリが生まれる時期を表していますが、それだけではなく、私たちにとっても新たな始まりや成長の象徴となることでしょう。自然との触れ合いを通じて、私たちは自らの存在を見つめ直し、生命の尊さを再認識することができるのです。 螳螂生の到来を迎えるこの時期に、私たちは自然とのつながりを大切にし、共に調和して生きることを心に留めておきましょう。カマキリのように、自然界の一部として、互いに支え合いながら、美しい地球を守っていくことができるのです。
芒種 次候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
芒種は、穀物の種まきの時期を指す言葉です。この時期には麦を収穫し、田植えを始めることが一般的です。そして、芒種の次候として「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」があります。この言葉は、「腐った草が蒸れ蛍になる」という意味を表しています。 腐草為蛍は、梅雨の時期に関連しています。梅雨は、湿度が高くなり、雨が降る季節です。その湿った環境が、蛍の生息地となります。昔の人々は、腐った竹の根や腐った草が蛍に変わると考えていました。 実際には、蛍は水中で生活している幼虫が光る蛍になるのですが、科学の知識が未発達だった時代では、蛍の生態についての正確な理解がなかったのかもしれません。 腐草為蛍の季節感は、梅雨の時期にぴったりです。湿度の高い草地や水辺で、腐った草が蒸れて蛍が飛び始める様子をイメージすることができます。この季節には、幻想的な光を放つ蛍が、夜空を舞いながら美しい光景を作り出します。 腐草為蛍については、さまざまな関連情報があります。たとえば、腐草を「くちくさ」と読むと蛍の別名になるといった興味深い事実もあります。また、ホタルの語源についても、さまざまな説が存在します。 腐草為蛍は、自然の営みや季節の移り変わりを感じさせる言葉です。梅雨の時期には、腐った草が蒸れて蛍が舞い、幻想的な光景を作り出します。この季節には、草花や野鳥とともに腐草為蛍の美しい姿を楽しむことができます。 以上が、芒種の次候である腐草為蛍についての説明です。この言葉には、昔の人々の思考や自然への感謝の気持ちが込められており、季節の移り変わりを感じることができます。梅雨の時期には、ぜひ腐草為蛍の光景を目に焼き付けてみてください。
芒種 末候 梅子黄(うめのみきばむ)
芒種は二十四節気のひとつで、穂の出る穀物の種をまく時期を指します。この時期、末候には「梅子黄」という言葉があります。梅の実が黄ばんで熟す頃とされ、今年の梅子黄の時期は6月16日から20日頃です。 梅子黄の時期には、梅の実が青々と大きく実ってきます。梅は古くから日本人に身近な植物であり、その実は万病に効くとされています。奈良時代には中国から薬用植物として伝わり、その効能が広まりました。 特に梅雨の時期には、身体の免疫力が落ちるため、梅干しは重宝されます。梅干しにはクエン酸が豊富に含まれており、疲労回復や食欲増進の効果があります。また、梅干しには殺菌作用もあり、食中毒の予防にも役立ちます。 梅雨の時期はじめじめとした日々が続きますが、梅子黄の時期には梅を食べることで、憂うつな気分を乗り切ることができます。また、和菓子とお茶を合わせて楽しむこともおすすめです。梅の甘酸っぱい味わいと和菓子の優しい風味が、梅雨の日々を少し明るくしてくれるでしょう。 梅子黄の時期には、自然の恵みである梅を存分に楽しみましょう。梅の実の黄色い色合いが、梅雨時の風物詩となります。梅子黄の季節を大切に過ごし、健やかな日々を送りましょう。
夏至 初候 乃東枯(なつかれくさかるる)
夏至が訪れると、初候の乃東枯(なつかれくさかるる)の季節がやってきます。この時期、夏枯草が枯れる様子を見ることができます。乃東枯は、6月21日から26日頃にかけて起こります。乃東枯とは、ウツボグサという植物が枯れることを指します。 ウツボグサは冬至に芽を出し、夏至の頃に花を咲かせますが、その後枯れてしまいます。夏枯草とも呼ばれるウツボグサは、漢方薬としても使われており、利尿や消炎作用があります。また、浮腫やねんざ、腫物の治療にも効果があるとされています。この植物の名前は、花の形が矢を入れる「うつぼ」という道具に似ていることから付けられました。 乃東枯の季節には、他の植物が夏の日差しを浴びて繁茂する中、ウツボグサだけがひっそりと枯れていく様子があります。夏至とともにやってくる乃東枯の季節、その美しい風景をぜひ楽しんでみてください。 乃東枯の季節は、自然の移り変わりを感じることができる貴重な時期です。夏至が訪れると、日本の風物詩である乃東枯が始まります。この季節になると、ウツボグサが一斉に枯れていく様子を見ることができます。夏枯草は、その名の通り夏に枯れる草のことを指します。 ウツボグサは、冬至に芽を出し、夏至の頃に花を咲かせますが、その後すぐに枯れてしまいます。この現象は、一瞬で終わってしまうため、その美しさには一層の価値があります。また、ウツボグサは漢方薬としても使用されており、利尿や消炎作用があります。特に浮腫やねんざ、腫物の治療に効果があるとされています。 乃東枯の季節には、他の植物が夏の日差しを浴びて繁茂する中、ウツボグサだけが枯れていく様子があります。そのため、風景や景色としても非常に独特で美しいものとなっています。夏至とともにやってくる乃東枯の季節、その美しい風景をぜひ楽しんでみてください。 乃東枯は、季節の変わり目を象徴するものであり、日本の四季を感じることができる貴重な出来事です。夏至の日、一瞬で終わってしまう乃東枯の美しい風景を見ることができるのは、日本ならではの魅力です。是非、この季節になったら、ウツボグサの枯れを見に出かけてみてください。
夏至 次候 菖蒲華(あやめはなさく)
菖蒲華の季節が訪れると、夏至が過ぎたことを感じます。この時期、日本ではあやめの花が咲き誇ります。菖蒲は、日本の伝統的な花であり、その美しさと香りで人々を魅了しています。特に、水辺や湿地といった場所でよく見られる植物で、日本の梅雨時に咲くことで知られています。 夏至から7月1日頃までの期間、あやめの花が一斉に咲き誇る様子は、まさに夏の訪れを感じさせてくれます。この時期は暑さも増し、自然も活気づいています。多くの人々が、菖蒲の美しい花を見に日本の庭園や湿地帯を訪れます。菖蒲華の季節には、その美しさだけでなく、日本の伝統文化に触れる機会もあります。 菖蒲の花は、日本の文化や芸術にも深く根付いており、俳句や絵画などでよく描かれるモチーフとなっています。菖蒲華の季節は、自然の美しさを楽しむだけでなく、日本の伝統文化に触れる機会でもあります。あやめの花の美しさと季節の移り変わりを感じながら、心を癒すひとときを過ごすことができます。 菖蒲華の時期は、日本の自然と文化を感じる絶好の機会です。美しい花に囲まれ、季節の移り変わりを感じながら、心を落ち着かせるひとときを過ごしましょう。
夏至 末候 半夏生(はんげしょうず)
夏至が過ぎると、暦の中で「末候」と呼ばれる季節が訪れます。その中でも特に注目されるのが「半夏生」です。半夏生は7月2日頃から始まり、約5日間続きます。この時期には、烏柄杓(からすべしゃく)という植物が生えることで知られています。 半夏生は、夏至から11日目の日付に当たります。かつては夏至から数えて11日目とされていましたが、現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日とされています。この日付は毎年7月2日頃になります。 半夏生の時期は、梅雨と重なることも多く、雨が多いことで知られています。この時期に降る雨を「半夏雨(はんげあめ)」または「半夏水(はんげみず)」と呼びます。特に大雨になることが多く、農家にとっては重要な節目の日でもあります。 福井県大野市では、半夏生の日には特別な食べ物である「半夏生さば」が食べられます。また、半夏生までに畑の仕事や水稲の田植えを終えることが目安とされており、この日から5日間は休みとする地域もあります。 半夏生という言葉には、植物の名前もあります。半夏生はドクダミ科の植物で、日本を含む東アジア一帯に自生しています。特徴的な白い花穂をつけ、葉の一部が白くなることが特徴です。 半夏生の時期は、外出を避けるように促されることがあります。ネガティブな言い伝えも存在し、「天から毒が降ってくる日」「物忌みをする日」と言われることもあります。このため、家で養生しようという意味も含まれていると考えられます。 半夏生は、田植えを終わらせる目安とされています。農家にとっては重要な節目であり、畑の仕事や田植えを終える前にこの日を目指して準備を進めることが求められます。 半夏生の時期は、夏の季節を迎える前に身体を労わる時節でもあります。暑さに負けないように体力をつけるため、食事や生活習慣に気を配ることが大切です。 半夏生は、夏至から11日目の日付として知られていますが、その意味や由来にはさまざまな言い伝えがあります。半夏生の時期には、特別な食べ物や植物が関連付けられており、地域によっては休みとする習慣もあります。半夏生を迎える際には、自然の移り変わりや身体の健康を意識し、適切な準備を行うことが大切です。
小暑 初候 温風至(あつかぜいたる)
小暑は、夏の始まりを告げる二十四節気の一つです。小暑の初候として出る「温風至」は、暖かい風が吹いてくることを意味します。この時期は、梅雨明けの判断を行う日でもあります。梅雨明けには南風が吹き始め、それを「白南風」と呼びます。ちょうど「温風至」の時期にも南風が吹くことがあります。温風至の期間は概ね7月7日から7月11日ころです。ただし、年によって期間は変わるため、注意が必要です。中国では、二十四節気や七十二候の名称や意味が元々生まれました。小暑は、本格的な夏に向かう頃であり、暦の上では重要な節目とされています。この時期からは、梅雨明けの便りも聞こえてくることが多くなります。また、暑中見舞いの季節でもあります。暑中見舞いは今ではあまり書かれなくなりましたが、手書きの暑中見舞いは意外に嬉しいものです。遠く離れた実家になかなか帰れない人にとっては、気持ちが伝わる手紙は特別なものとなるでしょう。小暑の後は、次の二十四節気「大暑」がやってきます。その前に、体を少しずつ暑さに慣らしていく必要があります。また、小暑からは暑中見舞いの季節でもあります。暑中見舞いは今ではあまり書かれなくなりましたが、手書きの暑中見舞いは意外に嬉しいものです。遠く離れた実家になかなか帰れない人にとっては、気持ちが伝わる手紙は特別なものとなるでしょう。
小暑 次候 蓮始開(はすはじめてひらく)
小暑が過ぎると、次の候である蓮始開の季節がやってきます。蓮始開とは、蓮の花が開き始めることを意味します。この季節は、約7月12日から16日ごろまで続きます。 蓮は、美しい花を咲かせることで知られています。蓮の花は、水面に浮かぶ葉の上に咲く姿が特徴的です。その花は、清らかで優雅な美しさを持っています。 蓮始開の頃になると、蓮の花が次々と開き始めます。朝の薄明かりから徐々に花びらが広がり、昼過ぎには閉じてしまいます。そして、3日間繰り返された後、4日目には花びらが散っていきます。 蓮の花は、泥の中から生まれ、泥に染まることなく美しく咲きます。そのため、「ハスは泥より出でて泥に染まらず」という言葉があります。清らかな花の象徴として、ハスは天上の花にも例えられます。 また、蓮という名前は、花の中心部分が蜂の巣に似ていることから、ハチス(蜂巣)と呼ばれるようになりました。そして、やがて転じてハスと呼ばれるようになったと言われています。 蓮始開の季節は、夏の中でも特別な美しさを持っています。蓮の花が開く様子を見ることは、心を癒し、自然の美しさに触れる機会でもあります。ぜひ、この季節に蓮の花を見に行ってみてはいかがでしょうか。
小暑 末候 鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)
小暑の末候である鷹乃学習は、7月17日から22日頃までの期間を指します。この時期、鷹の幼鳥が飛ぶことを覚え、巣立ちをする様子が観察されます。 鷹は猛禽類の一種であり、その翼の広がりと鋭い目で知られています。幼鳥の成長過程では、巣から飛び立つことが重要なステップとなります。鷹乃学習の時期になると、幼鳥たちは飛ぶ技術を身につけ始めます。 鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える様子は、自然界の中での成長と進化の一瞬を目撃するような感覚を与えてくれます。親鳥が幼鳥に飛び方を教え、幼鳥たちは少しずつ練習を重ねます。飛ぶことを覚えた幼鳥は、自信を持って巣立ち、新たな世界へと旅立つのです。 鷹乃学習の季節には、自然界の営みと命の成長を感じることができます。鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える瞬間は、生命力と成長の象徴として捉えられます。この時期を通じて、私たちも自然の中での生命の流れを感じ、成長と学びの大切さを再認識することができます。 鷹乃学習の時期には、自然観察や鳥の観察など、アウトドア活動が楽しまれることもあります。また、鷹にまつわる伝承や文化も存在し、それらを学ぶこともできます。 鷹乃学習は、小暑の末候として七十二候に含まれる特別な時期です。鷹の幼鳥が飛ぶことを覚え、新たなステージへと進む様子は、私たちにとっても成長と学びの機会となります。自然の営みに触れながら、鷹乃学習の季節を大切に過ごしたいものです。
大暑 初候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
大暑の初候になりました。この時期、桐の実が生り始める頃です。桐の実は卵形で固く、花が終わると徐々に実が形成されていきます。桐は4月から5月にかけて釣鐘型の薄紫色の花を咲かせますが、この時期は花が終わり、実がなる時期なのです。 桐は古くから日本で大切にされてきた木材で、タンスや下駄、箏などの材料として利用されています。特に桐タンスは高級家具の代名詞です。また、桐は高貴な木とされ、天皇家や日本政府、500円硬貨でも桐が使われています。桐は中国から朝鮮半島を経由して日本に伝えられたとされており、その美しい花や実は多くの人々に愛されています。 桐の実が生り始める頃、夏の訪れを感じることができます。大暑の初候「桐始結花」は、桐の実が形成されることを意味し、この時期になると、夏の暑さが本格化することを感じることができます。桐は日本の伝統的な木材であり、その美しい花や実は多くの人々にとって特別な存在です。また、桐を利用した家具や工芸品は、高い品質と高貴さを象徴しています。 しかし、近年、桐の木は減少していると言われています。森林伐採や開発の進展により、桐の木の生育環境が悪化しており、その結果、桐の木の数が減っています。この状況を改善するために、森林保護や環境保護に取り組む必要があります。 桐は日本の文化や歴史に深く根付いており、その美しい花や実は多くの人々に愛されています。私たちは、桐の木を守り、環境保護に努めることで、将来の世代にも桐の美しさを伝えていく責任があります。大暑の初候「桐始結花」を迎えることで、桐の木の大切さや環境保護の重要性を再認識しましょう。
大暑 次候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
大暑が過ぎ、次の候である土潤溽暑がやってきました。この時期は土が湿って蒸し暑くなる時期です。日本の夏は高温多湿で、風もなくじっとりとした暑さが続きます。肌はべたべたと汗でべたつき、外にいるだけで熱気に包まれます。この時期の風景は、土が乾いてひび割れるようなイメージがありますが、実際には土が湿っていることが特徴です。土潤溽暑は、夏本番とも言える7月後半から8月上旬にかけて訪れます。 土潤溽暑の季節は、湿度も上がり、蒸し暑さが増します。空気中の水分が多く、汗も蒸発しにくいため、体感温度が高く感じられます。この時期は、熱中症や夏バテに注意が必要です。こまめな水分補給や適度な休息が大切です。 土潤溽暑の特徴は、じっとりとした蒸し暑さです。湿度が高く、空気中に水分が多いため、汗が乾きにくくなります。また、土が湿っているため、蒸し暑さが増すのです。この時期は、夜も暑く、寝苦しい日々が続きます。エアコンや扇風機などの冷房器具が必需品となります。 中国の宣明暦では、土潤溽暑の時期にはどのような名称が使われているのでしょうか。日本と同じく、湿度の高い蒸し暑さを表す言葉が使われているのかもしれません。季節の変化や気候の違いを知ることで、さらに土潤溽暑の季節感を感じることができます。 土潤溽暑の時期は、日本の夏の厳しさを感じることが多いです。暑さに弱い方は、できるだけ涼しい場所で過ごしたり、水分補給をしっかりと行ったりすることが大切です。また、夏野菜や冷たい飲み物など、体を冷やす食材や飲み物も積極的に摂ると良いでしょう。 土潤溽暑は、日本の夏の代表的な季節と言えるかもしれません。蒸し暑い日々が続く中で、身体の状態や環境への適切な対策が求められます。しっかりと暑さに対処しながら、夏を楽しむことができるようにしましょう。
大暑 末候 大雨時行(たいうときどきにふる)
大暑の末候は「大雨時行」です。この時期は時として大雨が降ることがあります。具体的には、8月2日から6日頃までが該当します。この時期になると、入道雲が出現し、雷雨を伴う夕立がよく見られます。大雨時行とは、そのような様子を表現した言葉です。 大雨時行は、台風の季節と重なることが多いです。台風が接近すると、豪雨や風が強まり、大雨が降ることがあります。一方で、大雨時行は災害をもたらすだけでなく、生態系にとっても重要な役割を果たしています。河川のない内陸部に水を供給し、森林の新陳代謝を促すことで、豊かな自然環境を築いています。 日本では、かつては台風を「野分(のわき)」と呼んでいました。台風が過ぎ去った後、野の草が吹き倒される様子を表現し、清々しさや安堵感を意味する言葉でした。しかし、明治以降になってからは、台風を意味する言葉として「台風」が用いられるようになりました。英語の「typhoon」を訳したものです。 大雨時行の到来は、梅雨明けの猛暑が終わりを告げる合図でもあります。暑さが和らぎ、雨によって大地が潤い、新たな季節へと移り変わる準備が始まります。私たちは、大雨時行を迎えることで、自然の営みや季節の移り変わりを感じることができます。 大雨時行の訪れは、私たちにとっても自然とのつながりを感じさせてくれる大切な瞬間です。大雨による影響はあるかもしれませんが、その一方で、豊かな自然環境を築くために重要な役割を果たしていることも忘れてはいけません。大雨時行が訪れる度に、私たちは自然の力強さと美しさに触れ、感謝の気持ちを持つことが大切です。
秋の七十二候
秋の七十二候とは、二十四節気の立秋から霜降までの期間を指します。この期間は、3つの候に分けられます。立秋の初候は「涼風至」で、涼しい風が吹き始めることを意味します。次候は「寒蝉鳴」で、カナカナと甲高くひぐらしが鳴き始めることを意味します。末候は「蒙霧升降」で、深い霧がまとわりつくように立ち込めることを意味します。その後、処暑、白露、秋分、寒露、霜降と続きます。
立秋 初候 涼風至(すづかぜいたる)
立秋がやってきました。これは日本の二十四節気の一つで、夏の終わりと秋の始まりを告げる時期です。そして、立秋の初候として知られるのが「涼風至」です。この時期になると、涼しい風が立ち始めます。具体的には、8月7日から12日ごろまで続くとされています。 涼風至の到来は、残暑が厳しい時期でもあるため、とても心地よく感じられます。日中はまだまだ暑さが残りますが、夕方や夜になると、どことなく涼しげな風が吹いてきます。その風は、夏の終わりと秋の始まりを感じさせてくれるものです。 また、涼風至の時期には、雲の色や形にも変化が現れます。さわやかな秋のにおいを感じることができるのです。夕暮れ時には、草むらから虫たちの涼しげな音色が聞こえてきます。これらの自然のサインは、季節の移り変わりを感じさせてくれます。 涼風至の時期は、自然の移ろいを感じながら、ゆったりとした時間を過ごすのにぴったりです。この時期には、旬の食材として桃があります。桃は甘くてジューシーな果物で、夏の終わりを象徴する食べ物とも言えます。涼風至の時期には、桃を楽しむことをおすすめします。 涼風至は、自然の移り変わりを感じることができる貴重な時期です。夏の終わりと秋の始まりを告げる涼しい風が立ち始めるこの時期に、自然に寄り添った暮らし方を心がけてみてはいかがでしょうか。
立秋 次候 寒蝉鳴(ひぐらしなく)
立秋が過ぎると、次の節気である次候がやってきます。次候の名前は「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」といい、蜩(ひぐらし)が鳴き始めることを意味しています。寒蝉鳴は、8月13日から17日ごろにかけて訪れる時候です。 寒蝉鳴の到来は、夏の終わりを告げる重要な合図です。蜩の鳴き声が聞こえると、秋の訪れを感じることができます。蜩の鳴き声は、夜になると特によく聞こえてきます。その独特な響きは、涼しげで風情があります。 蜩は、夏の終わりから秋にかけて活動的になる昆虫です。彼らの鳴き声は、繁殖活動や求愛行動の一環として行われます。蜩の鳴き声は、一匹の蜩が鳴くことから始まり、次第に他の蜩も加わっていきます。すると、夜空には多くの蜩たちの鳴き声が響き渡ります。 寒蝉鳴の季節には、夜風が涼しくなり、秋の気配を感じることができます。また、夜空には星がきれいに輝き、夏の終わりを彩ります。寒蝉鳴の時期は、まだ夏の暑さが残る中での秋の予感を楽しむことができる特別な時期です。 立秋の後、次候の寒蝉鳴がやってくることで、私たちは自然の移り変わりを感じることができます。蜩の鳴き声が聞こえると、夏が終わり、秋が近づいていることを実感します。寒蝉鳴の時期を通じて、私たちは季節の移ろいを感じながら、自然とのつながりを深めることができます。
立秋 末候 蒙霧升降(ふかききりまとう)
立秋の末候である蒙霧升降は、深い霧が立ち込める時期を指します。この時期は概ね8月18日から22日頃にかけてです。蒙霧とは、もうもうと立ちこめる濃い霧のことを指し、特に早朝や雨の降った前日など、湿り気の多い状況で山や水辺に発生することがあります。この時期の空気はまだ残暑が厳しいですが、朝晩はひんやりとして心地よい季節です。 霧は、地面近くの空気が冷やされることで水蒸気が凝結し、非常に細かな水滴となって空気中に浮かぶ現象です。霧にはさまざまな種類があり、「盆地霧」「都市霧」「海霧」「山霧」「谷霧」「川霧」といったように、発生する場所によって異なる名称があります。また、霧の発生メカニズムによっても「放射霧」「移流霧」「蒸気霧」「前線霧」「上昇霧」といった分類があります。 蒙霧升降の時期には、山や水辺に立ちこめる深い霧が幻想的な風景を作り出します。朝早く目覚めて霧の中を散歩すると、静かで神秘的な雰囲気を味わうことができます。また、霧の中に立つと、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚に陥ります。 蒙霧升降は、立秋の一環として季節の変化を感じる重要な時期です。この時期には心が晴れないこともあるかもしれませんが、霧の中に立ちながら自然の美しさを感じることで心が癒されるでしょう。立秋の末候である蒙霧升降の時期には、ぜひ霧の風景を楽しんでみてください。
処暑 初候 綿柎開(わたのはなしべひらく)
綿柎開は、日本の七十二候の中で処暑の初候にあたります。この時期、綿を包む萼(がく)が開く様子を指します。具体的には、8月23日から27日ごろにかけてこの候が訪れます。 綿柎開とは、綿の花が開花し、綿の実が形成される時期を表しています。綿は、7月から10月にかけて開花し、その後、綿の実が形成されます。綿の実が成熟するのは9月から11月ですが、綿柎開の時期には、まだ実が完全には熟していない状態で、実の中からふわふわの「わた」が覗くようになります。 綿柎開の時期には、綿の実が弾けて白い綿毛が顔を出し始めます。この綿毛は「コットンボール」とも呼ばれ、繊維を採取するために集められます。また、綿の実からは綿実油という食用油も採取されます。 綿柎開の季節感は、夏から秋への移り変わりを感じさせます。まだ暑い夏の終わりに、綿の実がふわふわと顔を出す様子は、新しい季節の訪れを予感させます。また、綿柎開は、農作物の一つである綿花の成長の一区切りを意味し、農業にとっても重要な時期です。 綿柎開は日本の七十二候の中で特に綿花に関連した候であり、農業や自然のリズムを感じることができる候です。夏の終わりから秋の訪れを感じたい時には、綿柎開の時期に注目してみると良いでしょう。 以上、綿柎開について詳しく説明しました。綿柎開は、綿の花が開花し、綿の実が形成される時期を指し、8月23日から27日ごろにかけて訪れます。夏の終わりから秋の訪れを感じさせる候であり、農業や自然のリズムを感じることができる時期です。
処暑 次候 天地始粛(てんちはじめてさむし)
処暑が過ぎると、次の七十二候である「天地始粛(てんちはじめてさむし)」が訪れます。この時期になると、ようやく暑さが鎮まり始め、秋の気配が感じられます。天地始粛は、暑さが縮んで弱まるという意味を持ちます。夏の熱気が落ち着き、万物が新たな季節へと移り変わる時期です。 天気図では、秋雨前線が登場し、北から冷たい空気が運ばれてきます。北国や山地では、この時期から急速に季節が変わり、平野部でも少しずつ秋の気配が漂ってきます。涼しい風が吹き渡り、大地に心地よさをもたらします。実りの季節が目前に迫っていることを感じることができます。 また、天地始粛の前後には他の七十二候も存在します。処暑の前候である「綿柎開(わたのはなしべひらく)」では、綿の花が開き始める姿を見ることができます。一方、処暑の後候である「禾乃登(こくものすなわちみのる)」では、穀物が実り、豊かな収穫の時期がやってきます。 七十二候は、季節の移り変わりを細かく捉えた日本の伝統的な暦法です。天地始粛を含む処暑期間は、暑さが鎮まり、秋の到来を感じることができる特別な時期です。この時期には、風物詩や行事、食べ物など、日本独特の文化や風習も存在します。暦の中での七十二候の役割や意味を理解することで、日本の四季の美しさや豊かさを深く感じることができます。
処暑 末候 禾乃登(こくものすなわちみのる)
処暑の末候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」は、稲が実る時期を意味します。この時期は、9月2日から7日頃にかけてやってきます。日本では、稲が主食として重要な位置を占めており、稲の実りの時期は農家さんにとっても重要な時期です。 禾乃登とは、稲の穂先の毛のことを指します。稲が実り始める頃であり、稲穂が黄色く色づき始める時期とも言えます。うちの田んぼでは、まだ稲が青々としており、実りの早い地域ではすでに稲穂が頭を垂れ、黄色く色づいていることでしょう。 ただし、稲刈りはまだ少し先の時期です。稲の花が咲いて実が入り始めたところであり、まだ稲の実りは完了していないのです。稲刈りの時期は地域によっても異なるため、しっかりとした観察が必要です。 禾乃登の時期には、台風の季節に入ることも多く、稲に被害をもたらすことがあります。農家さんにとってはハラハラする時期でもあります。稲の実りが順調に進むことを願いつつ、台風に備える必要もあるのです。 禾乃登は、二百十日に重なる七十二候の一つです。中国の宣明暦でも同様の候が存在し、稲の栽培がはじまっていたことがわかります。稲は日本の風土に合った作物であり、私たち日本人にとっては欠かせない存在です。 稲が実る時期は、秋の到来を感じさせてくれます。稲刈りの季節が近づいていることを実感し、収穫の喜びを感じることができます。稲が実る姿は、農作業の成果や自然の恵みを感じさせてくれます。 日本の四季折々の候を感じながら、農作業や食べ物の大切さを考えることができる禾乃登の時期。稲の実りに感謝し、美味しいお米を食べることができる幸せを噛みしめましょう。
白露 初候 草露白(くさのつゆしろし)
白露とは、秋の二十四節気の一つであり、初候は「草露白」です。この時期は、草に降りた朝露が白く光る季節です。白露は、朝晩の気温が下がり始めることで露が発生しやすくなります。風や雲のない晴れた夜には、地上の熱が上空に逃げる「放射冷却」という現象によって、露が形成されます。 草露白の期間は、9月8日から12日頃までです。この時期は、草花や木々に朝露がきらめき、美しい光景が広がります。朝の日差しに照らされ、草の上に広がる白い露が、まるでダイヤモンドのように輝いて見えるのです。 露は、水蒸気が冷やされて地上に降りることで形成されます。そのため、露が降りると晴れるという言葉もあるほど、晴れた日によく見られる現象です。この時期の朝晩の気温が下がるため、露が発生しやすくなります。 草露白の期間には、秋の訪れを感じることができます。夏の終わりから秋にかけての季節の変わり目であり、自然界の移り変わりを感じることができる貴重な時期です。草に降りた白い露が光り輝く光景を見ることで、季節の移り変わりをより深く感じることができるでしょう。 草露白は、七十二候の一つであり、秋の季節を象徴する言葉としても知られています。この季節には、秋の草花や木々が美しく咲き誇り、朝露に照らされて一層の輝きを放ちます。草露白の期間は短いですが、その美しい光景を見ることで、秋の訪れを感じることができるのです。 草露白の時期には、朝の散歩や自然観察に出かけるのもおすすめです。草に降りた白い露が光り輝く光景を眺めながら、秋の訪れを感じることができるでしょう。また、草露白の季節には、秋の味覚も楽しむことができます。秋の野菜や果物の美味しさを堪能しながら、自然と一体となりましょう。 草露白の季節は、自然が生み出す美しい光景を楽しむ絶好の機会です。朝露に照らされた草花や木々の姿を見ることで、季節の移り変わりを感じ、自然とのつながりを深めることができるでしょう。草露白の期間を大切に過ごし、秋の訪れを心ゆくまで楽しみましょう。
白露 次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
白露の次の候は「鶺鴒鳴(せきれいなく)」です。この候は、鶺鴒(せきれい)が鳴き始める頃を指します。鶺鴒は、日本ではセキレイとも呼ばれる小鳥です。セキレイは主に水辺を好み、河川沿いや池、沼などに生息しています。この時期になると、セキレイたちは高い声でさえずり始めます。 セキレイは、寒い地域の鳥として知られていましたが、最近では生息地が南下し、西日本でも見ることができるようになりました。セキレイの特徴は、スマートな体型と長い尾です。羽色は主に背黒、白、黄の3種類があり、それぞれセグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイと呼ばれています。 セキレイは、軽やかに歩き回る姿が特徴的です。尾を上下に振りながら、地面を叩くように歩く様子から、「石叩き」とも呼ばれています。また、セキレイは日本神話の伊弉諾と伊弉冉に男女の交わりを教えたことから、「恋教え鳥」とも呼ばれています。 セキレイの鳴き声は高く鋭く、秋の初めの澄み渡った空に一層響き渡ります。この鳴き声は、大気が澄んできたことを感じさせるものであり、秋の訪れを告げる一つの合図でもあります。 セキレイは日本に古くから生息している身近な鳥です。そのため、多くの人がセキレイの鳴き声を聞いたことがあるのではないでしょうか。セキレイの鳴き声は、民家の軒下などに巣を作ることもあり、人々の生活にも密接に関わっています。 白露の次候「鶺鴒鳴」は、セキレイが鳴き始める頃を表しています。セキレイの鳴き声が聞こえるこの季節は、秋の到来を感じさせる特別な時期です。
白露 末候 玄鳥去(つばめさる)
白露の末候になると、燕が南へ帰って行く季節がやってきます。この時期は9月18日から22日頃にかけてのことを指します。玄鳥去(つばめさる)とも呼ばれ、燕が冬を越すために日本を離れて台湾やフィリピン、マレー半島などの東南アジアへと移動する様子を表現しています。 白露は、二十四節気の中でも秋の季節を象徴する時期であり、朝晩の涼しさが増してくる頃です。草に降りた霜が白く光って見えることから「草露白」とも呼ばれます。この季節になると、燕たちは南へ向かう準備を始めます。 燕は、春から夏にかけて日本で繁殖し、巣を作って子育てをします。しかし、寒さが厳しくなる冬には食べ物が不足し、生き延びるためには暖かい地域へと移動する必要があります。そのため、白露の末候になると燕たちは群れを作り、南への旅に出発します。 燕の南下は、一つの大きな移動現象であり、その数は数十万羽にも及びます。彼らは風を利用して長距離を飛び、途中で給餌しながら目的地に向かいます。その姿は美しく、空を埋め尽くすような群れが見られます。 玄鳥去は、自然界の移り変わりを感じさせてくれる季節の一つです。燕たちの南下は、冬の訪れを告げる合図でもあります。白露の末候になると、燕が南へ帰って行く様子を見守ることができます。 この時期の風景は、秋の訪れを感じさせてくれます。朝晩の涼しさや草露白の光景が心地よく、自然の営みに触れることができます。燕たちの旅立ちを見送ることで、私たちも季節の移り変わりを感じ、自然とのつながりを深めることができるのです。 玄鳥去の時期には、手紙やはがきの挨拶文にも七十二候を取り入れることがあります。これによって、季節感を伝えることができます。燕の南下という自然現象を通じて、私たちは自然との共生を感じ、豊かな自然環境を守る大切さを再認識することができるのです。 玄鳥去の季節には、燕たちの旅立ちを見送るだけでなく、自然の営みに感謝の気持ちを抱きながら、心豊かな秋を迎えることができるのです。
秋分 初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
秋分の初候である「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」は、雷が鳴り響かなくなる時期を指します。この期間は9月23日から27日頃まで続きます。雷は通常、大気中の電荷の移動によって発生し、大きな音と共に鳴ります。しかし、秋分の初候になると、雷の音が聞こえなくなるのです。 この「雷乃収声」の名前には、雷が鳴り響かなくなることを表しています。秋分は、夏から秋へと季節が移り変わる時期であり、気温や気候も変化します。雷が鳴り響かなくなることは、秋の訪れを感じさせる一つの合図とも言えるでしょう。 秋分の初候は、自然界の変化を感じ取る手がかりとして重要です。農作物の収穫時期や気候の変化を把握するために、人々は七十二候を観察してきました。七十二候は、一年を二十四節気に分け、さらに細かく季節の変化を捉えるものです。それぞれの候ごとに、自然界の現象や植物の成長に関連した名前が付けられています。 「雷乃収声」は、その中でも秋分に関連した候の一つです。秋分は、太陽の位置が赤道上にあるため、昼夜の長さがほぼ等しくなる日です。この時期には、秋の気配が感じられ、植物の成長や自然界の営みも変化します。雷が鳴り響かなくなることは、秋の到来を告げる合図として、人々の生活にも影響を与えてきたのかもしれません。 七十二候は、日本の気候風土に合わせて改訂されたものであり、暦学者たちによって作成されました。その中の「雷乃収声」は、秋分の初候を象徴する言葉として、日本の文化や風習に深く根付いています。 秋分の初候の「雷乃収声」を見ると、秋の訪れを感じることができます。雷が鳴り響かなくなることで、自然界の変化や季節の移り変わりを感じ取ることができるのです。この候を通じて、私たちは自然とのつながりを感じ、季節の移り変わりを楽しむことができるでしょう。
秋分 次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
秋分の次候である蟄虫坏戸は、虫が土中に掘った穴をふさぐ時期です。この期間は概ね9月28日から10月2日頃とされています。蟄虫坏戸は、二十四節気の秋分をさらに細かく分けた七十二候の一つです。 蟄虫坏戸の時期には、虫たちが寒さを感じて地中に姿を隠します。夏の終わりに活動していた虫たちは、冬ごもりの準備を始めるのです。例えば、蝶の幼虫はさなぎとなり、寒さに備えます。クワガタやテントウ虫は成虫のまま木の根元や土の中に潜り、春を静かに待ちます。 蟄虫坏戸は、秋の終わりと冬の始まりを象徴しています。虫たちが地中に潜り、自然界も静寂な時を迎えるのです。そして、来年の春になると、啓蟄の頃になって再び虫たちは姿を現します。 蟄虫坏戸は、自然の営みや季節の変わり目を感じる重要な時期です。我々は虫たちの行動から、自然の移り変わりを感じ取ることができます。蟄虫坏戸の期間には、自然に対する感謝や敬意を持ちながら、季節の移ろいを楽しむことが大切です。 二十四節気や七十二候は、中国で生まれたものですが、日本でも古くから重要視されてきました。これらの季節の区切りは、農作業や暦の管理に役立ちました。また、自然との共生を感じるための指標としても利用されています。 蟄虫坏戸の時期には、虫たちの活動が地中に移り、自然界は静けさに包まれます。私たちも自然の営みに敬意を持ちながら、秋の到来や冬の訪れを感じることができるでしょう。
秋分 末候 水始涸(みずはじめてかる)
秋分の末候である「水始涸(みずはじめてかる)」の時期になりました。この時期は田畑の水を干し始める時期です。一般的には10月3日から7日頃に行われます。稲作を行う地域では、この時期に田んぼの水を抜いて、稲刈りの準備を始めます。 秋分の末候「水始涸」は、中国の宣明暦にも同じような時期として記載されています。台風や秋雨シーズンが終わり、夏の湿気が退いて乾燥した秋の大気が訪れます。また、川や泉の水源の水の量も減少してきます。 この時期の田畑は、夏の湿気で茂っていた草木も乾いてしまい、枯れ色になっています。日本人は晩秋を特に尊び、枯れた風景にも美しさや豊かさを感じます。水辺に立つと、秋の風情をたっぷりと味わうことができます。 水始涸の時期は地域によっても異なりますが、一般的には10月中旬くらいに行われます。田んぼの水を抜くことで、稲刈りに備える準備を始めるのです。この時期に田畑の水を干すことで、稲刈りの作業がスムーズに進むようになります。 水始涸の時期には、秋の風情が感じられる枯れた風景が広がります。日本の四季の中でも、晩秋は特に美しく、閑寂の中にもののあはれを感じます。湿気の多かった夏が終わり、乾いた雰囲気が漂っています。 水始涸の時期には、田畑の水を干す様子を見ることができます。稲作を行っている地域では、この時期に稲刈りの準備を進めています。田んぼの水を干すことで、稲の茎がしっかりと立ち上がり、稲刈りがしやすくなります。 水始涸の時期は、秋の訪れを感じることができる特別な時期です。田畑の水を干す様子や枯れた風景を見ることで、四季の移り変わりを実感することができます。ぜひ、この時期に田んぼの水を干す様子を見に行ってみてください。
寒露 初候 鴻雁来(こうがんきたる)
寒露の初候、鴻雁来(こうがんきたる)とは、雁が飛来し始める季節を指します。この候は、10月8日から12日頃にかけてやってきます。この時期になると、雁たちは越冬地への旅を始め、日本へと飛来してきます。 雁は渡り鳥の一種であり、夏鳥が南へ帰るのと入れ違いに、冬鳥が北へ帰って行った後に再び日本へやってきます。鴻雁来の候には、雁が北から渡ってくる姿が見られます。この時、北風が吹き始めることから「雁渡し」とも呼ばれ、秋の季語としても知られています。 雁が飛来することによって、寒露の時期が訪れることを感じることができます。寒露は秋から冬への移り変わりの時期であり、自然界の様々な変化が起こります。雁が飛来することで、季節の変化を感じることができるのです。 この時期には、他にも様々な楽しみがあります。例えば、旧暦9月13日の月は「十三夜」と呼ばれ、美しい月として知られています。また、十五夜に次いで栗や豆の収穫を祝う風習もあります。十五夜の約一カ月後にやってくる十三夜は、「後の月」とも呼ばれ、特別な月として親しまれています。 鴻雁来の候には、雁の飛来と共に季節の移り変わりを感じることができます。寒露の初候を迎えることで、秋から冬への移り変わりを実感し、季節の楽しみを味わうことができるのです。
寒露 次候 菊花開(きくのはなひらく)
寒露の次候は、「菊花開(きくのはなひらく)」です。この時期になると、菊の花が咲き始めます。寒露は10月13日から17日頃の期間に当たります。 菊花開とは、その名の通り、菊の花が開花する季節を指します。秋の深まりとともに各地で菊の品評会や菊人形展が催され、野辺には野菊も花盛りとなります。菊は日本の秋の風物詩として親しまれており、その美しい花を楽しむことができます。 寒露の次候としての菊花開は、旧暦の重陽の節句(菊の節句)を迎えたばかりの時期に当たります。この時期には、季節の移り変わりを感じることができます。秋の深まりを実感しながら、菊の花の美しさを楽しむことができるのです。 寒露の時期は、朝晩がぐっと冷え込む季節でもあります。毛布や厚手のパジャマなど、朝晩の冷え対策をすることが重要です。しかし、日中は秋晴れの過ごしやすい日が多くなりますので、散歩やお出かけも楽しめます。 寒露の次候の菊花開を迎えることで、秋の深まりを感じながら、菊の花の美しさに触れることができます。菊の花は日本の伝統文化にも深く根付いており、その花を通じて季節の移り変わりを感じることができるのです。 寒露の次候、菊花開の時期には、菊の花を見に行ったり、菊人形を飾ったりするなど、秋の楽しみ方が広がります。菊の花の美しさに触れながら、秋の深まりを感じることができるので、ぜひこの時期には菊の花に注目してみてください。
寒露 末候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
寒露の末候には、「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」という言葉があります。この言葉の意味は、「蟋蟀が戸の辺りで鳴く」ということです。寒露の期間は、毎年10月18日から22日頃まで続きます。 蟋蟀は、コオロギや鳴く虫の総称であり、その音は秋の風物詩とも言えるでしょう。虫の音のピークは既に過ぎてしまっていますが、それでも蟋蟀は少しずつ数を減らし、声も弱くなっていきます。しかし、それでもなお蟋蟀たちは止むことなく鳴き続けます。草むらの中で命の限りを尽くすように、弱々しく優しい声を響かせています。 「蟋蟀在戸」は、日本の風土に合わせてアレンジされた七十二候の一つですが、そのベースになっている詩は、中国最古の詩集である『詩経』に出てきます。この詩は、農民たちが暦に従って生活していく一年を詠んだものです。 寒露の末候である「蟋蟀在戸」は、宝暦の改暦の際に末候となりました。また、読み方も変わりましたが、指している生き物は一貫して現代の私たちが知るコオロギです。 蟋蟀の鳴き声を聴くと、静かで穏やかな気持ちになります。秋の深まりを感じながら、蟋蟀の鳴き声に耳を傾けると、心が癒されるのです。寒露の末候の蟋蟀の鳴き声は、季節の移り変わりを感じさせてくれます。 寒露の時期は、秋の深まりを実感することができる大切な時期です。蟋蟀在戸の鳴き声を聴くことで、私たちは自然の営みと共鳴し、心を落ち着かせることができます。このような自然の循環を感じることは、私たちの生活にとって、大切な癒しの一つと言えるでしょう。
霜降 初候 霜始降(しもはじめてふる)
霜降の初候である「霜始降(しもはじめてふる)」は、10月23日から27日頃に霜が降り始めることを意味します。これは、北国から初霜のたよりが聞かれる頃であり、冬がやって来る兆しです。霜とは、大気中の水蒸気が地面や草木に白く結晶してできるものです。気温がぐっと下がった朝に広がる霜を見ると、冬の訪れを実感します。 霜降は、1年の感慨や月日の流れを人々はあらわれる霜に感じる季節でもあります。この季節になると、寒さが増し、空気中の水分が凍って草木の表面や地面につくと霜となります。霜は美しい光景であり、冬の訪れを象徴するものとしても捉えられています。 霜降の時期は、七十二候の中でも重要な節気です。霜始降の前には「寒露(かんろ)」があり、寒くても凍っていない露(つゆ)が存在します。しかし、霜降では水分が凍って霜となります。寒露から霜降へと季節が移り変わることで、寒さが一段と厳しくなることを感じることができます。 霜降の時期には、身体を温めるための準備が必要です。暖かい衣服を着用し、体を冷やさないようにすることが大切です。また、季節の変わり目であるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にも注意が必要です。手洗いやマスクの着用、十分な休息をとることで健康を守りましょう。 霜降は、自然界の移り変わりと共に、人々の生活も変化していきます。農作物の収穫や冬支度など、さまざまな活動が行われます。また、霜降の時期には、秋の美しい風景を楽しむこともできます。紅葉や稲穂の黄金色など、自然の美しさを感じながら過ごしましょう。 霜降は、季節の変わり目であり、冬の訪れを感じる大切な時期です。霜が降り始める頃には、寒さに備えて準備をし、健康に気を配りながら、自然の美しさを楽しみましょう。
霜降 次候 霎時施(こさめときどきふる)
霜降の次候である霎時施(こさめときどきふる)は、小雨がしとしとと降る時期です。この期間は概ね10月28日から11月1日頃まで続きます。霎時施は、二十四節気の中でも特に細かく季節を区切った七十二候の中の第53番目の節気です。 霜降とは、秋から冬へと季節が移り変わる時期を指し、霎時施はその中でもさらに細かく小雨の降る日々を表します。この時期は、秋の深まりを感じさせる中で、少しずつ寒さが増していきます。霜降の後には、立冬という節気が訪れ、本格的な冬の到来を告げるのです。 霎時施の時期には、小雨がしとしとと降ります。この小雨は霜降の名の通り、寒さが増していく中で霜が降り始める前兆とも言えるものです。空気が澄み、風が冷たくなり、秋の草花も少しずつ枯れていきます。小雨の中を歩くと、地面が濡れて滑りやすくなるため、注意が必要です。 霎時施の時期には、自然界の様々な変化を感じることができます。植物たちは枯れていく一方で、冬に向けて準備を始めます。人々も秋の収穫を終え、冬の準備に取りかかる時期です。暖かい飲み物や温かい食べ物が恋しくなる季節でもあります。 霎時施の時期は、秋から冬への移り変わりを感じさせる大切な時期です。小雨がしとしとと降る中で、自然の営みや季節の変化を感じ取ることができるでしょう。この時期には、温かい飲み物を飲みながら、ゆっくりと過ごす時間を大切にしたいものです。
霜降 末候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)
霜降の末候「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」は、秋が深まり、植物が高地や北国から次第に色づいていく頃を表しています。一般的に、本格的な紅葉シーズンはもう少し後に訪れますが、寒冷期であった江戸時代には、江戸や上方でも木々が色づく時期だったのでしょう。 楓蔦黄の時期は、概ね11月2日から11月6日頃です。この期間には、もみじや蔦が美しい黄葉を見せます。この時期、日本の風景は鮮やかな色彩に包まれ、秋の深まりを感じさせてくれます。 もみじの黄葉は、日本の風物詩とも言える美しい景色です。黄色いもみじの葉が風に揺れ、光に照らされる様子は、まさに絵画のようです。また、蔦も同様に黄色に染まり、木々や建物に絡みつきながら美しい光景を作り出します。 楓蔦黄の時期には、多くの人々が紅葉狩りや散策に出かけます。特に、日本の名所として知られる箕面の滝では、もみじの黄葉を楽しむことができます。箕面では、もみじの天ぷらが伝統的なお菓子として親しまれています。そのサクサクとした食感と素朴な味わいは、多くの人々に愛されています。 楓蔦黄の時期は、自然の美しさを感じることができる特別な季節です。黄葉に包まれた風景は、心を癒し、秋の深まりを実感させてくれます。日本の四季の中でも、紅葉の美しさは特に注目されています。ぜひ、楓蔦黄の時期には紅葉の美しさを堪能してみてください。
冬の七十二候
冬の七十二候は、霜降から立春までの期間を指します。この期間は、3つの候に分けられます。霜降の初候は「蟄虫咸俯」で、虫がみな穴に潜って動かなくなることを意味します。次候は「霜降下」で、霜が降り始めることを意味します。末候は「霜降下」で、霜が降り始めることを意味します。その後、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒と続きます。
立冬 初候 山茶始開(つばきはじめてひらく)
立冬の初候になると、山茶花が咲き始めます。この時期は11月7日から11月11日頃に訪れる七十二候の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」と呼ばれる短い季節です。山茶花は、寒い冬の中でも鮮やかな赤い花を咲かせることで知られています。 山茶花は、ツバキ科の植物であり、その名前の由来は「山に生え花を咲かせる茶の木」という意味です。昔、山茶花の葉をお茶として飲んでいたことから、この名前が付けられたと言われています。 この時期に山茶花が咲くことは、冬の訪れを感じさせてくれます。深緑の葉の中に鮮やかな赤い花を見つけると、心が温まります。寺院や茶室の庭木としても好まれる山茶花は、殺風景な冬枯れの景色を可憐に彩ります。 また、山茶花の花言葉は「ひたむきな愛、謙遜、理想の恋」と言われています。その美しい花姿は、人々に希望や幸せを与えてくれるでしょう。 なお、山茶花と椿はよく似た花を咲かせますが、この時期に先駆けて咲くのは山茶花です。椿は12月から4月にかけて花を咲かせます。 山茶花の美しさは、季節の移り変わりを感じさせてくれます。寒い冬の中でも、山茶花の花が咲くことで、一筋の光を見つけることができるのです。私たちはその美しい花を見ることで、心を温められます。
立冬 次候 地始凍(ちはじめてこおる)
立冬の次候である「地始凍(ちはじめてこおる)」は、大地が凍り始める時期を指します。この時期は概ね11月12日から11月16日頃です。朝は霜が降り、場所によっては霜柱が見られることもあります。夜は冷え込みが一層厳しくなるため、部屋の窓の結露にも注意が必要です。 地始凍の時期には、冬の足音が近づいてきます。木々の葉も徐々に色づき、落葉が積もり始めます。この時期に目立つ果樹と言えば柿です。柿の実が真っ赤に熟れ、美味しそうに実っている様子は、冬の訪れを感じさせます。 また、地始凍の時期は寒さが増し、防寒対策が必要です。厚手のコートやマフラー、手袋などを用意し、体を温かく保ちましょう。特に夜は冷え込みが厳しいため、外出時には暖かい服装で出かけることが大切です。 地始凍の時期は、自然界の変化を感じることができる貴重な時期です。大地が凍り始め、冬の到来を告げる光景は美しくもあり、厳しさを感じさせます。この時期には、暖かい飲み物を飲みながら、窓の外の景色を眺めるのも良いでしょう。冬の訪れを心ゆくまで楽しみましょう。 地始凍の時期は、寒さが一層厳しくなり、季節の変わり目を感じることができる特別な時期です。この時期には、霜柱や落葉、柿の実など、自然の営みを観察することで、冬の訪れを実感することができます。厳しい寒さに備えながら、冬の美しい風景を楽しんでみてください。
立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)
立冬の末候である金盞香(きんせんかさく)は、11月17日から21日ごろまでの期間です。この時期には、水仙の花が咲き誇り、香り高く漂います。金盞香とは、中国の宣明暦において「野鶏入水為蜃」という不思議な表現で表されています。しかし、日本ではこの時期を水仙の花が咲く季節として捉えています。 水仙の花は、スイセンとも呼ばれ、その中央にある黄色い部分を金盞銀台といいます。この金盞銀台が、まるで金銭や銀貨のように輝いていることから、金盞という名前がつけられました。スイセンの花は、白い花びらに黄色の花弁が美しく咲き誇ります。 金盞香の時期は、立冬の終わりに位置し、季節の変わり目を感じさせます。寒さが増し、冬の訪れを告げる時期でもあります。しかし、水仙の花が咲くことで、寒さに負けずに美しい花を楽しむことができます。 この時期には、庭先や公園などで水仙の花が見られることがあります。その花の香りは爽やかで、心を癒してくれます。また、水仙の花は縁起の良い花とされており、新しい年の幸せを願うためにも、多くの人々が水仙の花を楽しんでいます。 金盞香の時期は短いですが、その美しい花と香りに包まれる時間は、心地よさを与えてくれます。寒さが増すこの季節に、水仙の花の咲く景色を楽しんで、心を温めてみてはいかがでしょうか。
小雪 初候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)
小雪の初候、虹蔵不見(にじかくれてみえず)は、虹を見かけなくなる時期です。この時期は11月22日から27日頃まで続きます。小雪とは、冬が深まってきた頃を指し、季節の変化を感じる時期でもあります。日差しが弱まり、曇り空が多くなるため、虹を見る機会が減ってしまいます。 虹は、雨上がりや雨の中で太陽の光が水滴に反射してできる美しい光景です。色とりどりのアーチ状の光が空に広がり、見る人を魅了します。しかし、虹蔵不見の時期には、日差しが弱まっているため、虹を見ることが難しくなります。 虹は、自然界の美しい現象の一つであり、幸せや希望の象徴ともされています。そのため、虹を見ると心が癒されると言われています。しかし、小雪の初候では、虹を見る機会が少なくなるため、心が少し寂しく感じることもあるでしょう。 季節の変化を感じることは、自然とのつながりを感じる機会でもあります。虹蔵不見の時期には、虹を見ることが難しくなるかもしれませんが、代わりに冬の景色や雪の美しさに目を向けることも大切です。雪が降ると、地面や木々が白く覆われ、静寂な雰囲気が漂います。冬ならではの景色を楽しむことで、心が豊かになることでしょう。 虹蔵不見の時期は、季節の変化を感じる貴重な時期です。虹を見ることができない代わりに、冬の景色や雪の美しさに目を向け、心を豊かに過ごしましょう。季節の移り変わりを感じながら、自然とのつながりを深めることで、日々の生活がより充実したものになることでしょう。
小雪 次候 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
小雪の次候、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)は、北風が木の葉を払い除ける時期を指します。この候は、11月28日から12月2日頃にかけて訪れます。 朔風とは北風のことで、木枯しを指します。日本海を渡る北風は、山地にぶつかり日本海側では多くの雪を降らせます。そして、山を越えた太平洋側では乾燥した風になり、「空っ風」と呼ばれます。この北風が吹くことで、木の葉が舞い散ります。 葉を落とした木々の冬景色はどこか淋しげで、草木は一見枯れてしまったようにも見えますが、実は木の枝には小さな芽が出始めています。この候を通じて、自然の移り変わりが感じられます。 北風に吹かれた木の葉をあらわす言葉に、「木の葉雨」や「木の葉時雨」があります。どちらもとても風情豊かな美しい言葉です。北風が吹くと寒さを感じますが、この言葉を作った方々が、自然との対話を大切にしていたことが伝わってきます。 小雪から朔風払葉への移り変わりは、季節の変化を感じさせてくれます。木の葉が舞い散り、冬の訪れを告げるこの候は、自然の営みを感じる良い機会です。この時期には、風の音や木の葉のざわめきを聞きながら、心静かに自然と一体となることができます。 朔風払葉の時期には、新しい年への準備も始まります。年末のクリスマスや年始の準備を考える時期でもあります。また、年賀状の準備やおせち料理の準備も行われます。 小雪から朔風払葉への移り変わりは、季節の一つの区切りでもあります。自然の営みを感じながら、新しい季節への準備をすることで、心も体もリフレッシュすることができます。この時期には、自然との対話を大切にしながら、心穏やかに過ごすことができるでしょう。
小雪 末候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
小雪の末候、12月3日から6日頃は「橘始黄」と呼ばれる季節です。この時期になると、ヤマトタチバナの実が黄色く色づき始めます。橘始黄とは、ヤマトタチバナの実が黄色くなり始めることを指しています。 ヤマトタチバナは、日本に古くから自生していた柑橘類です。その葉は常緑樹で、冬でも青々と葉を茂らせています。このため、ヤマトタチバナは「永遠」を象徴する樹木として大切にされてきました。 橘には古くから文化的な意味があります。その葉や花、実は文様や家紋にも用いられています。また、文化勲章には橘の白い花がデザインされています。橘は、日本の文化や伝統に深く根付いた存在として、多くの人々に愛されてきました。 小雪の時期は寒さが増し、冬の訪れを感じる季節です。しかし、橘始黄の光景は、その中で一際目を引きます。橘の実が黄色くなり、寒々しい風景に明るさを与えてくれます。 橘始黄の季節には、手紙やはがきの挨拶にも七十二候を取り入れることがあります。これは、季節感を表現するための書き出しとして利用されます。例えば、「小雪の末候、橘始黄」といった挨拶文は、相手に対して季節の変化を感じさせる効果があります。 橘始黄の光景は、日本の四季の美しさを象徴しています。ヤマトタチバナの実が黄色くなる様子は、冬の中にも希望と暖かさをもたらしてくれます。この季節には、橘の実を見るたびに、心がほっと和まれるのです。 橘始黄の時期は、自然の営みや季節の移り変わりを感じる良い機会です。私たちは、ヤマトタチバナの実が黄色くなる様子を見ることで、自然とのつながりを感じることができます。この季節には、ぜひ自然の中で散歩を楽しみながら、橘始黄の美しさを味わってみてください。
大雪 初候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
大雪初候の時期になると、天地の気が塞がり、閉塞成冬となります。この言葉の意味は、「すべてが閉ざされることで冬になる」と表現されます。大雪の時期は、冬の本番となり、あらゆる動植物が冬の支度に入ります。野山や森の木々は、春の芽吹きまでは息をひそめているかのようです。山の動物たちも冬眠に入り、冬の到来を感じさせます。大雪初候は、12月7日から11日頃まで続きます。 この時期の光景は、世の中が静まり返り、雪がシンシンと地面に落ちる音だけが聞こえる様子です。見た目にも感じ方も、まさに「閉塞成冬」の光景です。真っ白に染まった森の中で、フクロウが息をひそめる姿は、この季節のイメージそのものです。世界が静まり返り、存在を消すかのようにする閉塞感が漂います。 「閉塞成冬」が教えてくれることは、冬の到来に伴って、自然界も静寂の中に包まれるということです。動植物たちは冬の支度に入り、冬の眠りにつきます。雪に覆われた山々は静かで、まるで山全体が眠っているかのように見えます。この静寂な光景は、閉塞成冬の象徴とも言えるでしょう。 大雪初候の時期は、冬の到来を感じさせる重要な時期です。天地の気が塞がり、冬の閉塞感が広がります。この時期には、自然の息吹が凍りついたような静寂が漂います。私たちも、大自然の中で冬の訪れを感じ、その美しさと厳しさを噛みしめることができるでしょう。 閉塞成冬の時期には、自然の摂理を感じることができます。大自然の中での静寂と寒さは、私たちに冬の深さを教えてくれます。冬の到来は、季節の移り変わりを感じさせ、新たな気持ちで新しい一年を迎える準備をするきっかけともなります。大雪初候の閉塞成冬の時期、私たちは自然と共に冬の訪れを受け入れ、その美しさと厳しさを感じることができるのです。
大雪 次候 熊蟄穴(くまあなにこもる)
大雪の次候である「熊蟄穴(くまあなにこもる)」は、熊が冬眠のために穴に隠れる季節を指します。この時期は、12月12日から15日頃にかけて訪れます。 日本にはツキノワグマとヒグマの2種類の熊が生息しています。これらの熊は環境や個体、雄雌によって冬眠する時期は異なりますが、一般的には12月くらいから4月くらいまで冬眠をします。冬眠中は、熊は穴にこもり、春まで過ごします。 熊蟄穴は、七十二候の中で特に興味深い候です。多くの七十二候は、気象の変化や花の開花、鳥や蝶など、目で見ることができる出来事に関連していますが、熊蟄穴の瞬間は、人々が目にすることができない光景です。 最近では、ドングリの不作による熊の出没が報道されることがありますが、熊の冬眠にはドングリの影響だけではない要素もあります。一部の地域では、山にクリやカキを置いて熊が里山に降りてこないようにする取り組みも行われています。 今年はワシントン州でもドングリの不作が報告されており、熊の生態にも影響を与えています。ドングリの不作は日本だけの現象ではなく、世界的な問題としても注目されています。 熊蟄穴が訪れるこの時期は、自然界の中での営みが一段と静かになる季節です。熊が冬眠に入ることで、自然の循環が進み、春の訪れを待つ準備が始まります。 熊蟄穴の季節は、自然の営みの一部を感じることができる貴重な時期です。熊の冬眠の様子やその後の目覚めについては、研究や観察によってさらに理解を深めることができるでしょう。 熊蟄穴に関する情報や研究は、自然保護活動や生態系の保全にもつながります。私たちは、熊が冬眠する穴についての知識を広め、環境保護の意識を高めることが重要です。 熊蟄穴の季節が訪れるたびに、私たちは自然の営みに感謝し、大切にする心を持つことが必要です。熊が冬眠する穴は、自然の中での一つの奇跡であり、私たちが守るべき財産でもあります。
大雪 末候 鱖魚群(さけのうおむらがる)
大雪の末候になると、鱖魚群という季節がやってきます。この時期、鮭たちは群れを作り、川を上っていきます。12月16日から21日頃にかけて、鮭たちが産卵のために故郷の川へと戻ってくるのです。 鮭は海で1〜5年間過ごしますが、不思議なことに彼らは自分の生まれた川を覚えているのです。海で長く生活した後でも、ほとんどの鮭はもとの川に戻ってくると言われています。その理由は、鮭の鋭い嗅覚によるものだと考えられています。 鮭たちは産卵のために一心不乱に遡上してきます。彼らはまったく食物を摂らず、役目を終えると力尽きます。しかし、鮭たちの犠牲は次の命を育むためのものであり、自然の営みとして循環していくのです。 日本の新潟や東北、北海道の河川では、鱖魚群の時期になるとサケの遡上を見ることができます。鮭たちが川を上る様子は神秘的であり、古来の人々からも特別な存在としてとらえられてきました。 鱖魚群の時期は、冬が間近に迫っていることを示す重要なしるしでもあります。鮭たちが川を上る様子を見ると、自然の営みや季節の移り変わりを感じることができます。 鱖魚群は、日本の自然と文化の一部として大切にされています。鮭たちの遡上は、私たちに自然の摂理や命の尊さを教えてくれる貴重な瞬間です。大雪の末候になると、鮭たちの力強い姿を見ることができるかもしれません。
冬至 初候 乃東生(なつかくれくさしょうず)
冬至の初候である「乃東生」は、夏枯草が芽を出す時期です。冬至は12月22日から26日頃に訪れる、一年で最も昼の時間が短い日です。この時期になると、寒さが厳しくなり、自然界は冬の眠りにつくように思われます。 しかし、乃東生という候は、その寒さにもかかわらず、夏枯草が勢いよく芽吹く様子を表しています。夏枯草は、夏至頃に枯れていく草であり、その名の通り、夏の終わりを告げる存在です。 夏枯草は、日当たりの良い山野の草地に群生し、紫色の花を咲かせます。花の形が矢を入れる「うつぼ」に似ていることから、「うつぼ草」とも呼ばれます。夏の盛りには美しい花を咲かせますが、夏が終わると茶色く枯れてしまいます。 乃東生の時期になると、冬の寒さが厳しくなる中、夏枯草だけが勇敢に芽を出し始めます。この力強い姿は、生命力の強さを感じさせます。冬至の時期には、まだまだ寒さが続くことを思えば、夏枯草の芽吹きは希望の象徴とも言えるでしょう。 乃東生は、自然界の中で一つの転換期を象徴しています。冬至を過ぎると、日が徐々に長くなり、春の訪れが近づいてきます。夏枯草が芽を出すという現象は、季節の移り変わりを感じさせ、新たな生命の息吹を予感させるのです。 乃東生の時期には、自然の営みを感じることができます。寒さの中でも生命が息づいていることを知り、自然の不思議さに触れることができるでしょう。冬至の初候である乃東生は、自然の美しさと力強さを私たちに教えてくれるのです。
冬至 次候 麋角解(おおしかのつのおつる)
冬至の次候は麋角解(おおしかのつのおつる)です。この時期は12月27日から31日頃の間です。麋角解とは、大鹿が角を落とすという意味です。冬至が過ぎてから、大鹿は新しい角を生やすために古い角を落とします。この現象は自然界の中での循環の一部であり、季節の変化を象徴しています。 冬至は一年で最も昼が短く夜が長い日です。この日を境にして、日の出と日の入りの時間が徐々に変化し始めます。冬至の後、日の出が遅くなり、日の入りが早くなっていきます。寒さも一段と厳しくなり、冬の深まりを感じることができます。 麋角解は、冬至から更に数日経った時期を指します。この時期は大鹿が角を落とすという自然現象が起こることから、その名前が付けられました。大鹿の角は力強さや威厳を象徴しており、角を落とすことで新たな力を蓄える準備をしているのです。 麋角解の時期は、冬至から更に寒さが増す時期でもあります。寒さに備えて、人々は暖房や厚着などの対策を取ります。また、冬至から麋角解にかけては、新しい年の準備や目標の立て方など、新たなスタートを切るための時期とも言えます。 冬至の次候である麋角解は、大鹿が角を落とすという自然現象を通じて、季節の変化や新たなスタートを象徴しています。この時期には自然の摂理を感じながら、新たな目標や計画を立てることができるでしょう。寒さに負けずに、新しい年を迎えるための準備を進めていきましょう。
冬至 末候 雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる)
冬至の末候、「雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる)」の時期がやってきました。この時期、雪の下で麦が芽を出す様子が見られます。期間は1月1日から5日頃までです。 麦は越年草であり、秋に種をまいて、翌年の初夏に収穫されます。寒さにも強く、雪に覆われたままでも、地下では静かに芽を吹き、暖かい春を待ち続けています。 そして、麦は順調に成長し、6月頃には麦畑が黄金色に染まり、収穫の時を迎えます。この時期になると、麦畑は一面に黄金色の風景が広がり、とても美しいです。 一方で、麦は早春に「麦踏み」という作業が行われます。これは、霜柱による土壌の浮きを防ぎ、根を張り良くするために行われます。また、麦の伸び過ぎを抑えて穂の出方を均等にする効果もあります。 麦には、小麦や大麦、ライ麦、燕麦など様々な種類があります。これらの麦は、中央アジアを中心とした乾燥気候の土地を原産地としています。 「雪下出麦」は冬至の末候であり、第二十四候の「麦秋至(むぎのときいたる)」と対になります。この時期、麦の芽が青々と茂り、大地が暦通りに動いていることを感じることができます。 麦の芽は年末になると早くも芽を出し始めます。冬枯れた大地の中で、長い畝に広がる緑は、春への希望を感じさせてくれます。 冬至の末候、「雪下出麦」の時期には、麦畑には麦の芽が青々と茂り、生命力に満ちた光景が広がります。これから麦は順調に成長し、収穫の時を迎えることでしょう。
小寒 初候 芹乃栄(せりすなわちさかう)
小寒の初候である「芹乃栄(せりすなわちさかう)」は、芹がよく生育する時期です。この時期は1月6日から9日頃にかけて訪れます。芹は寒さに強く、冷たい水辺で特によく成長します。そのため、この時期になると芹が盛んに茂ります。 芹は、春の七草の一つとしても知られています。その爽やかな香りと独特の歯ざわりが特徴です。古事記や万葉集にも芹の食用としての記録が残されており、古くから日本人と親しまれてきた植物です。 芹は日本原産の多年草であり、水田の畔道や沢、河川の水際などに自生しています。芹の繁殖は競争の激しいもので、群生している姿が見られます。そのため、「せり」という名前は若葉が競い合うように群生することに由来しています。 芹には胃を丈夫にする効果や食欲増進、解熱作用などがあります。年末年始のご馳走で弱った胃を助けてくれるため、七草粥にも芹が入れられるのです。 「芹乃栄」の季節には、寒さが厳しくなる一方で芹の成長が活発になります。この時期には、冷たい水辺で育つ芹を楽しむことができます。芹の爽やかな味わいと香りを楽しみながら、健康を保つためにも積極的に食べてみましょう。 芹の成長が盛んな「芹乃栄」の季節は、芹がよく生育する時期です。寒さに強く、冷たい水辺で育つ芹は、この時期になると茂ります。芹は春の七草の一つとしても知られており、古くから日本人に親しまれてきた植物です。芹は胃を丈夫にする効果や食欲増進、解熱作用もあり、七草粥にも入れられるほど健康に良い食材です。この季節には、芹の成長が活発になる一方で寒さも厳しくなりますが、冷たい水辺で育つ芹を楽しむことができます。芹の爽やかな味わいと香りを楽しみながら、健康を保つためにも積極的に食べてみましょう。
小寒 次候 水泉動(しみずあたたかをふくむ)
小寒の次候は「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」と言います。この時期は地中で凍った泉が動き始める時期です。1月10日から14日頃にかけて訪れます。 「水泉動」という言葉は、凍った泉が解けて水が動き始める様子を表現しています。この時期になると、寒さが少しずつ緩み、地中に溜まっていた水が解けて流れ出す光景が見られます。 この季節には、清らかな水の流れを感じさせる美しい風景が広がります。泉が動き出すことで、自然界に活気が戻り、春の訪れを感じさせてくれます。 また、この時期には七草粥を食べる習慣もあります。七草粥には、水辺で育つ芹(せり)が入れられることが多く、冷たい水辺で育った芹が、春の訪れを予感させる食材として重要な役割を果たしています。 水の流れは、季節を問わず日本の風景に欠かせないものです。水泉動の時期には、地中で凍っていた水が解け、新たな流れとなって広がります。この美しい風景を見ることで、私たちは自然の力強さと生命の息吹を感じることができます。 小寒の次候「水泉動」は、寒さが少しずつ和らぎ、春の訪れを感じさせてくれる重要な時期です。凍った泉が動き出す光景は、私たちに新たな希望と活力を与えてくれます。この季節を大切にし、自然と共に過ごすことで、心身ともに活気を取り戻すことができるでしょう。
小寒 末候 雉始雊(きじはじめてなく)
小寒の末候である「雉始雊(きじはじめてなく)」は、1月15日から19日頃にかけて雄の雉が鳴き始める時期です。寒さの中で響くキジの声は、高くて鋭く、力強さを感じさせます。まるで蒸気機関車の汽笛が突然響き渡るような意外性と、哀愁と、力強さに心をつかまれる瞬間です。その後の凍てついた静寂も感じられる一侯です。 キジは飛行機の音や外敵にも鳴くため、繁殖期以外でも鳴くことがあります。また、地面を歩いてばかりのキジは、足の裏に特殊な感覚器を持ち、地震が起きる前に騒ぐように鳴くことが知られています。このため、キジの鳴き声は時には地震の予兆としても注目されることがあります。 小寒の時期はまだ寒さが厳しいですが、キジの鳴き声を聞くことで少しでも春の訪れを感じることができます。キジは春の到来を告げる鳥としても知られています。立春を過ぎた2月中には、キジの鳴き声がより一層活発になると言われています。 日本の四季は美しい景色や自然の変化を楽しむことができますが、それぞれの節気や候が持つ意味や特徴を知ることで、より深く季節を感じることができます。小寒の末候である「雉始雊」は、寒さの中で鳴くキジの声を通じて、冬から春への移り変わりを感じることができる貴重な時期です。
大寒 初候 款冬華(ふきのはなさく)
大寒の初候である「款冬華(ふきのはなさく)」は、フキの薹が蕾を出す時期です。西日本では1月から2月にかけて、関東や東日本では2月から3月、東北や北海道、山間部では3月から5月にフキノトウが芽を出し始めます。この時期、厳しい寒さの中で雪に覆われた地面からフキの花がぽつりぽつりと現れる光景は、春の訪れを感じさせてくれます。 フキは日本原産の山菜であり、古くから愛されてきました。フキノトウは、独特のほろ苦さと歯ごたえ、香りがあり、春の皿には欠かせない存在です。特に刻んだフキを味噌と和えた蕗味噌は、白ご飯との相性が良く、幸せな気持ちにしてくれます。 フキには咳止めや咳痰の効果があり、健胃や浄血、毒消しの効果も知られています。また、冬の間に疲れた体を目覚めさせる効果もあります。そのため、冬の季節にフキを摂取することは健康に良いとされています。 現在は、フキはスーパーなどで手軽に購入することができますが、ほとんどが栽培されたものです。しかし、フキは8世紀頃から栽培が始まった貴重な山菜です。その歴史と風味豊かな特徴から、多くの人々に愛されてきました。 大寒の初候である「款冬華」は、フキの花が蕾を出す季節です。寒さ厳しい冬の中で、フキの花が顔を出す様子は、春の訪れを感じさせてくれます。ぜひこの時期にフキを味わい、体を温めて健康を保ちましょう。
大寒 次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
大寒は、1月20日~2月3日頃を言います。 「大寒」は1年で最も寒さが厳しい季節です。 大寒は冬の最後の節気であり、二十四節気の最後の節気でもあります。 つまり、大寒の後の春は目前です。 大寒の次候は「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」と呼ばれています。この候は、沢に氷が厚く張りつめるという意味です。水沢腹堅の期間は1月25日から29日頃です。 実際に凍った小川を目にすることはないかもしれませんが、水沢腹堅の時期には手水鉢やバケツに氷が張ったり、屋根から氷柱が垂れ下がったりする光景が見られます。氷の世界は色々なところで見ることができます。 また、水沢腹堅の時期には「シモバシラ」という現象も見られます。シモバシラとは、極寒の早朝にみられる飴細工のような氷の花のことです。植物のシモバシラは、冬に見られる特徴的な現象であり、その美しさから植物の名前にもなっています。 大寒の最後の日は節分であり、翌日が立春です。日が少しずつ長くなり、暖かく春に近づいていくのを感じることも多いですね。 大寒の時期は寒さが一層厳しくなりますが、その寒さを活かして作られる食べ物や野菜もあります。寒風にさらして仕込む凍み豆腐や寒天などの乾物、ちぢみほうれん草などの葉物が大寒の時期に作られます。昔ながらの栽培方法で寒さに耐えられるよう葉に厚みが出るため、糖度が上がりうまみが増すと言われています。 大寒という季節は寒さを感じさせる一方で、春の訪れを感じることもできます。冬の最後の節気である大寒が過ぎると、次は立春がやってきます。日が少しずつ長くなり、暖かさを感じることができる春が目前に迫っているのです。
大寒 末候 鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
大寒が終わり、末候として鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)の季節がやってきます。この時期、鶏たちは卵を産み始めます。具体的には、1月30日から2月3日頃にかけての時期です。この鶏始乳という言葉は、鳥が卵を産むという意味を表しています。 現代では、養鶏が進んでおり、1年中スーパーマーケットなどで手に入る鶏の卵ですが、昔の江戸時代には鶏は春から夏にかけてしか卵を産まないものでした。そのため、立春に近づくと卵を生み始める鶏が現れる様子を鶏始乳と表現していたのです。 鶏始乳の季節感は、春の訪れを感じることができます。鶏が卵を産み始めることで、春の気配が漂ってくるのです。ただし、現代では養鶏が進んでいるため、卵は季節を問わず手に入ります。しかし、春の卵は母体の中でゆっくりと成熟するため、栄養価が高まると言われています。 鶏始乳は七十二候の中でも最後の候であり、鶏が卵を抱いて巣に籠る様子を表しています。現代の鶏卵は生産管理され、季節を問わず供給されているため、季節感が薄れてしまっています。しかし、昔の人々にとっては冬の間ほとんど卵を産まなかった鶏が再び卵を抱いている姿は、長い冬の終わりを告げる印であり、喜びでもありました。 鶏始乳の季節には、ほのかにぬくもりを感じる卵が手に入ります。寒中に生み落とされた貴重な卵であり、寒卵としても知られています。鶏始乳の時期には、春の訪れと共に新たな希望が芽生えるのです。